「現在完了って、もう終わった行動のことを言うときに使うの?」「いや、現在も続いてる行動のときに使うんじゃなかったっけ?」など、現在完了をいつどうやって使っていいのか、日本人にとってはなかなかわかりにくい文法項目の一つですが、基本的な考え方は以下のようになります。
- 今のところ、現在までの状況を伝える時に使う。
- いつやったかという情報はどうでもいい、またはわからないとき。
- むしろ、やったかやらなかったかという情報のほうが大事な時・焦点が当てられている時。
- 過去の状況、過去に起こったり始まったりしたことが、何らかの形で現在に関連している場合。
例えばこんなケースで現在完了を使います。
何人かでパーティーの準備をすることになったとします。パーティー当日までにやらなくてはいけないタスクがいくつかありますが、どこまで準備が進んでいるかの途中経過を確認しあう場合に使ったりします。
John: Have you bought some paper plates and cups yet?
Mike: Yes, I've already bought them. Have you sent out the invitations to the guests?
John: No, I haven't, but I will do it soon.
というような感じです。チェックリストのどの項目にチェックがついているかどうかという確認、現在までの進行状況について述べる時に、現在完了を使います。
この場合、過去に起こったことを述べたり尋ねたりするのに、なぜ過去形ではだめなのかという疑問がわきますが、過去形ではいつやったかという点に焦点が置かれるうえに、その答えの内容によって、現在の状況や現在の行動に影響を及ぼすというような強い関連がありません。
ところが現在完了は、いつやったかはどうでもよくて、やったのかまだやってないかどうかということが、大事なわけです。例えば、上の会話の例を使うと、Mikeの答えによって、Johnがまだ紙皿やカップを買いに行かなくちゃ行けないかどうかという今後の行動が左右されます。この点で、過去に起こった事実・過去の状況が現在に強く関連しているわけです。「今のところ・・・な状況、状態」というのを現在完了を使う時のキーワードとして覚えておけば、この現在完了の捉え方も少しはわかりやすくなると思います。
さらに、「今のところ・・・です。」という考え方を基本にすれば、現在完了を「経験」「継続」の意味で使うときにもわかりやすくなると思います。つまり、完了して終わってしまった事柄(経験)にも、まだ完了していない行動(継続)にも使えるわけです。
それぞれ例を挙げてみましょう。
まず「経験」の意味で使う場合。例えば就職の面接の場面です。
Interviewer: Have you ever given a power point presentation?
Interviewee: Yes, I have. I've done power point presentation many times.
When did you use Power Point last?
となります。答えるほうも、もちろん過去形で答えます。
もうひとつ、過去形と照らし合わせた例で現在完了の使い方を説明しましょう。「今朝はコーヒー3杯飲んだ。」という場合の英語ですが、現在喋っている時点での時間が午前10時半の場合と午後3時の場合とでは、言い方を変えなくてはなりません。どちらにどの英文を使うのかわかりますか?
- I have had 3 cups of coffee this morning. (現在完了形)
- I had 3 cups of this morning. (過去形)
正しい言い方は、午前中の間にこの内容のコメントを言う場合は1の現在完了を使い、午後にこのコメントを言う場合は2の過去形を使います。英語表現では、正午になるまではMorningなのですが、午前10時半の場合は正午までにまだ時間がありますよね。午前はまだ終わっておらず、午後になってしまうまでのあと1時間半の間にまたもっとコーヒーを飲んでしまう可能性があり、3杯というのは「今のところ」の数字になります。なので、この場合は現在完了形を使います。それが午後3時になってから同じ事実について述べようとする場合、午前はもう終わってしまった時間帯なので、この午前に3杯という数字が変わることはありませんね。なので、「今のところ」という意味合いは無くなり、終わってしまった過去の事実ということで、過去形を使うわけです。
同じようなパターンで、「ジョンは人生の中で5冊本を書いた。」という文を英語にする場合、ジョンがまだ生きている場合は、今のところ5冊書いたが、死ぬまでにまた本を書くかもしれませんよね。なので、その場合は
John has written 5 books in his life.
となります。
ジョンがもう亡くなってしまった作家の場合、彼の人生はもう終了しているので5冊という数字が変わることがありませんね。なので、「今のところ」という意味合いが無くなり、
John wrote 5 books in his life.
と過去形を使った文章になります。
現在完了の「継続」用法に関しても同じ考え方が出来ます。「ジェシカは英語を10年間教えました。」という場合、ジェシカが現在まだ英語教師の場合は「今のところ10年」という意味合いになり、これから先も英語教師を続けた場合10年という数字が変わるので現在完了を使い、
Jessica has taught English for 10 years.
となります。これが、ジェシカがもう英語教師をやってない場合はこの10年という数字は変わることが無く、「今のところ」という意味合いがなくなるので、
Jessica taught English for 10 years.
となります。
とにかく、現在完了を理解するうえでのキーワードは、「今のところ・・・」です。これさえ抑えれば、いつ現在完了を使えばいいのかがわかりやすくなると思います。
面接官から今までにパワーポイントを使ったプレゼンテーションをやった事があるかどうかを聞かれる場合があります。その答えによって次の質問や態度も変わってくるほど、この受験者の過去の事実が現在の状況に強く関連してくるので、質問は現在完了を使います。受験者のほうも「何回も」という回数を付け足す場合、今後はどうなるかわかりませんが、これまでのところ何回もやった事があるという、経過報告のような意味合いなので、現在完了を使います。さらにこの場合もいつプレゼンをやったかということは焦点になっていないので、現在完了なんです。この後の質問で、面接官から「一番最近パワーポイントを使ったのはいつですか?」という質問が次に来た場合は、「いつ」が焦点になっているので過去形を使い、