私は絶望のどん底にいました。
小腸全摘し、長期生存は非常に厳しいと宣告された息子を前にして、何もできず弱っていくのをただ見守るしかできないのかと思うと、とてつもない虚無感に襲われました。
息子の面会中も帰宅後も、ふとした瞬間に涙が溢れ、泣いても泣いても枯れない涙を流す日が続きました。
その一方で、息子は日増しに少しずつ浮腫みが取れていき、人工呼吸器も外れ、驚異的な回復を見せてくれました。
目を見開いておしゃぶりをチュッチュと吸う息子の瞳に力強い生命力の光を見ました。
私ははたと気付きました。
息子は無心で生きている。
私が勝手に彼の人生に絶望するなんて、とんでもなく失礼じゃないか。
悲嘆に暮れている場合ではない。親としてできることを全力でやろう。
それからの私は、息子の面会をする以外の時間は短腸症候群、特に残存小腸がほとんど無い場合の症例について徹底的に調べました。
調べれば調べるほど、書かれてある厳しい現実に落ち込みましたが、息子にとって少しでもプラスになる情報が一つでもないかと藁をも掴む思いで探しました。