・I have been to France.
・I have gone to France.
中学生の頃に習った文法。
学校や塾では
「have been to」はフランスへ行ったことがあるという【経験】を表す。
「have gone to」はフランス行ってしまって今はいない。
こう習った気がする。
当時はbeen(be)の意味は考えてなかったし、先生も分からなかったんだろうから
この説明には「英語ではそういう言うんだ」くらいの感じで覚えるしかなかった。
これは日本の英語教育が米語中心と言いながらも
文法規則は全てイギリス英語で編成されているために起こる問題。
藤井 健三さんという方が書かれた、「アメリカの英語」に興味深い研究結果が出ています。
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アメリカ英語では「have gone to」は「have been to」の意味で使われることが多い。
イギリス英語では習った通り「gone to」と「been to」は区別される。
米語では
・I have gone to France.
フランスに行ったことがある。
と "been to"の代わりに"gone to" が広く使われているんだそうで。
実際学校の教科書でもこのように書かれていることがあるらしい。
イギリスではこの辺は厳しくて「have gone to」とは言わない。
そもそも
"have been to" の"to"が何かを考えると、
前置詞なんですが、(そんなんどうでもいいけど)
目的地や方向を示すtoに「存在」のbeは相性が悪い。
このtoは古英語では"at"を意味したそうです。
例)
・He is to my home.
彼は私の家にいる。
という風に。
これなら理解できるね^^
at(ある場所)にbe(存在)していたhave(経験)がある。
だから「~に行った(場所を表す場合)ことがある」
これが"have been to" 。
文法に厳格なイギリスが現在まで守っている文法。
アメリカではこの感覚を避けるために、
"to" と相性のいい "go"を使った"have gone to"が使われるというわけ。
ただ、必ずしもそうなるとういうわけではなく、
どっちの使用も許容されているというレベルなので、
文脈から判断することになります。
ではアメリカ英語で「行ってしまってもういない」
を表すにはどうするのか。
それは
・He is gone.
のように "be gone"の形をとる。
確かに映画やドラマでも, "Is he gone?"
なんて台詞を聞くことが多いね。
イギリスはきちんと決められた文法基準が設けられています。
アメリカでは今使われいる言葉が基準になります。
イギリスのような文法基準はないので、許容範囲が広いんです。
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↓この本にさらに詳しい説明があります。
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