玉ねぎを切ると涙が出ることは誰でも知っていますが、そのメカニズムを説明できる人は極めて少数です。暇つぶしにネット検索していたら、それを説明したPDFを見つけました。

 

1. 玉ねぎを切ると玉ねぎの細胞が壊れて、alliinase(アリイナーゼ)とlachrymatory factor synthase(催涙因子合成酵素、LFS)が出てくる。

 

2. 玉ねぎの主要硫黄化合物(trans-1-propenyl-L-cysteine sulfoxide, PRENCSO)がalliinaseに分解され、不安定な1-propene-sulfenic acid(1-PSA)ができる。

 

3. lachrymatory factor synthase(催涙因子合成酵素)が1-PSAに作用し、syn-Propanethial S-oxide(催涙因子)が生成される。

 

4. syn-Propanethial S-oxideは揮発性なので、切った玉ねぎから空気を通って調理人の目に到達し、涙が出る。

 

この研究で、ハウス食品の今井真介氏はIg Nobel Prize(イグノーベル賞)を受賞しました。Ig Nobel Prizeはノーベル賞のパロディで、ignobleの駄洒落になっています。