今日は、英語のライティングとスピーキング能に関して、内向的大学生と外向的大学生を比較した研究論文を読みました。

Indonesian EFL Students' Proficiency in Writing and Ability in Speaking across Personality Learning Styles

 

対象はインドネシアの大学でEssay Writingコースを履修している大学生です(計74人)。学生が書いた英文はcontent (30), organization (20), vocabulary (20), language use (25), mechanics (5)に基づいて採点し、最高点は100です。一方、スピーキング力はcontent (40), organization (20), language use (20), presentation style (20)に基づいて評価し、100点満点で採点しました。

 

学生の性格は、Eysenck Personality Questionnaire Revised-Abbreviated、Eysenck Personality Questionnaire EPQ、The Maudsley Personality Inventoryに基づいて作成した質問票で評価しました。要はアイゼンクとモーズレイの性格検査の改編版だと思います。

 

結果1:外向的な学生において、ライティング能とスピーキング能の間には統計的に有意な相関がある。内向的な学生においても、これら二つの能力の間には有意な相関がある。

 

結果2:ライティングのスコアに関して、外向的な学生(78.96)と内向的な学生(80.53)の間には有意な差がない。

 

結果3:スピーキングのスコアも、外向的学生(78.80)と内向的学生(79.84)の間には有意差がない。

 

ライティング能とスピーキング能の間に相関があるというのは誰もが直感的に知っていることなので、結果1は当然でしょう。正しい英文がすらすら書ける人は、英語を話すのも上手いはずです。

 

ライティング能に関して平均点の数字だけを見ると、内向的な学生の方がむしろ高いです。ただし、これは誤差範囲(ばらつきの範囲)です。読書と同じく、英作文という作業は各人がひとりで行うものですから、内向的・外向的という性格に左右されるものではないでしょう。たとえば、graded readersを読んだ後で読書感想文を英語で書くという課題では、内向的・外向的性格に影響される余地は無いと思います。

 

スピーキングの平均点においても、内向的な学生の方が僅かに高得点です。これも単なるばらつきの範囲で、有意差はありません。これらの学生が履修したEssay Writingコースではグループワークも含まれていますが、平均スコアを見る限り、内向的な学生は何ら劣るところはありません。

 

「日本人はシャイ、だから外国語ができるようにならない」・・・ホントですかぁ?