1、覚えた単語やフレーズをどのように会話に活かすか?
僕は実際の場面で、使う頻度が高いものを選んで学習を続けてきましたが、実際にどうしたら外国人との会話に活かしていったら良いのか?という疑問が生まれました。
考えてみると、中学生の頃から英語を学び始めて、大学を卒業した方で10年間英語に触れてきています。
しかし、英語を思いのまま操っている方は僕の周りにはいませんでした。
ある日、職場の先輩と英語でお客さまと会話するときの話題になりました。
そのとき、先輩が
「俺は、相手(外国人の方)の言っていることはある程度理解できる。そして、自分の中でも言いたいことも頭に浮かぶのだけれども英語が口から出てこないんだ。」
と言ったことがとても僕の中で引っかかりました。
確かに個人で学習を続けていくと、リスニングの教材も使い耳は段々と英語に慣れてはきていました。
しかし、会話として自分からフレーズを口にすることはこの関してこないことに気が付いたのです。
僕は車掌時代、定期的にアナウンスやサービス応対向上のための研修を受けていました。
電車のアナウンスは、基本的に車掌から乗客へ一方通行です。
僕の乗務していた湘南新宿ラインや上野東京ライン、高崎線は基本的には15両編成ですので、全長で300メートルもあります。
車掌のいる乗務員室は最後部車両にありますが、先頭車両の方が直接訪れることも一苦労です。
通勤時間帯で満員電車の場合は身動きすら取れません。
乗務員室が近い場合、ご要望があれば直接ご案内することは可能ですが、一度に数千人の方が乗る電車ですので、全ての方と面と向かってご案内することは不可能です。
そのためにも、一度に全ての方が聞くアナウンスは聞き取りやすくなくてはなりません。
その研修では、滑舌を良くする練習や発声方法、正しい日本語の言い回しなどについて学びます。
講師は元アナウンサーの方や、元CAの方を講師として招いて行いますので、即実践できるような中身です。
その研修のカリキュラムの一つとして早口言葉の練習がありました。
早口言葉は「生麦生米生卵」というようなオーソドックスなものをはじめ、いくつも練習します。
そこで、「10回同じフレーズを言いましょう!」ということになるわけですが、実際に発声してみると見事に噛みます(笑)。
頭の中では10回なんて簡単なのに、実際に発声してみると意外と噛むのです。
これは、運動会で速く走れるとイメージしたお父さんが、実際に走ってみると足が絡まって転んでしまう感覚でしょうか。
これでおわかりだと思いますが、毎日アナウンスをしている車掌の僕でさえ、練習をしないと早口言葉なんて話せないのです。
同様に、英語を話すことも、実際に声に出して練習しないと話せるようにはならないのです。
外国人を目の前にすると、緊張のあまりフレーズが出てこないときもあります。
緊張に勝るほどに自信を付けるためには練習が必要だと感じました。
そのようなことを考えていたとき、ちょうど僕にとって「先生」と呼べる方が現れました。
それはこの間ずっと一緒に暮らしていた当時4歳の息子です。
何の気なしに彼の様子を見ていると、会話を覚えるヒントがたくさん転がっていたのです。
それから僕は、我が子がどのように日本語を覚えて使っているのか観察することにしたのです。