6、「連結ふせんワーク」を作った
「寿司はシャリ部分はほとんど同じで、上に乗るネタが変わるだけで何通りもメニューが変わる。」
ここからヒントを得た僕は、すぐに様々なフレーズで試したのです。
「英語でもある部分だけ変えて、何通りもフレーズを作ろう!」と似たようなフレーズをたくさん作ることにしました。
まずは、僕が普段アナウンスしているダイヤ乱れのときに絞って進めてみることにしました。
例えば、
「この電車は○○のために10分遅れて運行しています。」
というフレーズです。
この場合、○○の部分を変えるだけで状況説明を簡単にできるのではないかと考えました。
英文にしてみると、
「We are now delayed for approximately 10 minutes, because of ○○.」
となります。
具体的に他のフレーズを作ってみると、
・「この電車は【急病人救護】のために10分遅れて運行しています。」
「We are now delayed for approximately 10 minutes, because of 【sick person】.」
・「この電車は【人身事故】のために10分遅れて運行しています。」
「We are now delayed for approximately 10 minutes, because of 【a fatal accident】.」
・「この電車は【安全確認】のために10分遅れて運行しています。」
「We are now delayed for approximately 10 minutes, because of 【safety check】.」
・「この電車は【霧】のために10分遅れて運行しています。」
「We are now delayed for approximately 10 minutes, because of 【fog】.」
・「この電車は【強風】のために10分遅れて運行しています。」
「We are now delayed for approximately 10 minutes, because of 【strong wind】.」
となります。
例文は僕が実際に使用していたフレーズでしたので、比較的長いものですが、これが僕がダイヤ乱れのときに臨機応変に状況説明がスラスラ言えたカラクリです。
一文は長いものでも、一部分だけ変えれば無限にフレーズが作れるのです。
難しいと思うフレーズでも1フレーズだけ覚えてしまえば最小限の労力でたくさんのフレーズが作れてしまうのです。
これらのフレーズを作るときに「ふせん紙」に単語やフレーズを書き込んで並べ替えを行い、自分の中に落とし込んでいきました。
それから乗り換え案内や、発車時刻のご案内など時刻部分や路線名などの一部を変えるだけでどんどん使えるレパートリーを増やしていくことに成功していくのでした。
僕は、これを別々の列車を連結させる様子に見立て、「連結ふせんワーク」と名付けました。
これを活用することにより、一般的に難しいと言われている「現在完了形」などにも応用させていくことにより、自然とフレーズの組み立て方が身に付いていったのです。
これによってアナウンス場面だけでなく、実際の応対場面でもフレーズがどんどん出てくるようになったのです。