【英検1級の新設問題をざっくり要約:後編】英検の問題が2024年に改訂⑥ | 大人が英語学習で成功する方法:高卒&28才からの英会話で英検1級&TOEIC975点ゲット!

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英語にまったく縁のなかった僕が、28才からのやり直し英会話で、
どうやって33才までにTOEIC900点超&英検1級をゲットしたか?を公開します。

 from 師範代Shinya

 

(→前回の続き)

 

今回は「英検の新問題分析シリーズ」として、要約のサンプル例文で削られているポイントを解説していきます。

 

ここでもう一度、本文と要約文を見比べてみましょう。

 

【記事の内容】

 

テーマ:砂の採掘による生態系へのダメージ

 

(このタイトルは、僕が勝手に決めました。サンプル問題を見る限り、記事のタイトルは書かれていないようです)

 

【本文】

 

ポーヤン湖は、中国で一番大きな淡水湖です。
 

人々は、何世代にも渡って魚を捕ってきました。
 

しかし最近は、新しい資源が取られています。
 

それは、「砂」です。

 

ポーヤン湖の底から、砂が採掘されているのです。
 

その量はなんと、1時間あたり最大で1万トンにもなります。
 

採掘された砂の多くは、上海に送られます。

 

上海は、2007年以降、人口が700万人も増加しました。
 

ポーヤン湖の砂は、上海の高層ビルや道路、その他の建造物に使われています。

 

こういった大規模な採掘作業は、中国だけのものではありません。

 

アメリカやオーストラリアなど、他の国々でも行われています。

 

世界的に見ると、砂を最も多く輸入しているしている国はシンガポールです。

 

シンガポールは、砂を利用して国土の面積を20平方マイルも増加させました。

 

砂の採掘による湖への影響は、大きな心配事になっています。

 

砂の採掘作業で湖の底面をひっかき回されると、水の中にある堆積物が浮き上がります。
 

その堆積物が、日光を遮断してしまうのです。

 

水の中に日光が届かなくなると、水中植物が酸素を作れなくなります。
 

すると、魚や他の水生生物が死んでしまうのです。

 

ポーヤン湖の場合は、砂を取り過ぎたせいで、湖から出る水路が広がってしまいました。外に流れ出る水の量が2倍になったのです。

 

その結果、ポーヤン湖の水位が大幅に下がってしまいました。
 

水位が下がったことで、ポーヤン湖のそばにある湿地に水が十分に届かなくなりました。

 

湿地が乾くと、そこに生息しているたくさんの鳥や他の生物たちが、生きていけなくなります。

 

たくさんの国々が、砂採掘の悪影響に対して気付き始めました。

 

これまで砂の需要が多かったインドネシアやマレーシア、カンボジアは、今こういった自然破壊の打撃を受けています。

 

自然の生態系を守るために、これらの国々は今、砂の輸出を禁止しています。

 

しかし、需要が増している中で1つの地域で砂の採掘を止めると、他の地域がカバーしなければならなくなります。

 

たとえば、中国の長江は、以前は砂の採掘場でした。
 

でも、1990年までに砂が大量に採掘された結果、川岸の橋が崩れ落ちてしまったのです。

 

その後、砂の採掘場は長江からポーヤン湖に移動しました。

 

【要約の解答例】

 

都市の開発を促すために、世界中の水域から砂が取られています。

 

砂を活用することで色々なメリットがある反面、砂の採掘が自然の生態系に悪影響を与えていることがわかってきました。

 

色々な生物を危機にさらしているのです。

 

これを受けて、一部の国々の政府が砂の輸出を禁止する法律を作りました。砂の採掘による被害を軽減するためです。

 

でも残念ながら、砂の採掘を禁止することは、一時的な解決策に過ぎないようです。

 

1つのエリアで禁止しても、採掘場が他のエリアに移るだけになってしまうからです。


以上です。

 

要約の例文で削られているポイント

今回の要約サンプル例文の中で削られているのは、

 

①ポーヤン湖という固有名詞と、その細かい背景。

 

②砂の採掘問題を引き起こしている理由(湖の底に日光が届かない)

 

③他にも同じ問題が起きている国名

 

このあたりは完全に削られています。

 

これらの内容を入れたら、間違いなく文章が長くなって、文字数が足りなくなるでしょう。

 

要約の例文で残っているポイント

逆に残っている場所は、

 

①水域から砂が取られている。(これが一番大事)

 

②砂の採掘が、生態系に問題を引き起こしている。(問題の提示)

 

③一部の国々は、対策を取っている。

 

④でも、その対策は今のところ、あまり意味がない。

 

以上の4点です。

 

言い換えが大事

1級は、ボキャのレベルがメチャクチャ上がります。

 

その結果、準1級以上に、「1つの内容を言い表すのに、たくさんの言い回しが当てはまる」ようになります。

 

そして、僕ら回答者側も、本文とは違う言い回しをしないと、減点される可能性があるのです。

 

おそらく1級が一番細かくジャッジされるでしょう。

 

意識して「言い換え」を多用していく必要があります。

 

①いかに言い換えをするか?

 

②いかに1文を長くするか?

 

この2点を意識して要約文を書かないと、良い点数が取れないと思われます。

 

言い換え例

英検協会のサンプルの英文を見ると、こんな言い換えが使われています。
 

①本文:lake (湖)

 

言い換え
 

↓↓↓

 

①要約文:water body(水域)

 

②本文:~ making survival for fish and other organisms difficult.
   (~が、魚や他の生命体が生き延びるのを難しくしている)

 

言い換え
 

↓↓↓

 

②要約文:~ has ecologial consequences that endanger the lives of various organisms.
    (~には、生態系の問題が付随している。その問題は、たくさんの種類の生き物を危険にさらしている)


③本文:~ operations shifted to Poyang Lake.
(~採掘作業が、ポーヤン湖に移動した)

 

言い換え
 

↓↓↓

 

要約文:~ operetions often end up simply moving to other sites.
    (~採掘作業は、単に他の場所に移されるだけ、というケースがよくある)


 

以上です。

 

1級の言い換えは、要約文の方がむしろハイレベルだと感じます。

 

要約するためには、本文で表示されている「lake(湖)」のような細かい単語を、「water body(水域) 」のように、大きなカテゴリーに変換する必要があります。

 

そういう意味では、普段から英文を読みながら出会った英単語を、

 

「もしこの単語をカテゴリー分けするとしたら、何になるだろうか?」

 

と考えるクセをつけるのが良いでしょう。

 

・セミ→昆虫

 

・魚→水生生物

 

・洗濯機→電化製品

 

・カメラ→撮影機材

 

など、大きなカテゴリーに変換する練習をします。

 

まずは日本語で練習して、次のステップとして「じゃあ、英語で何て言うの?」を調べていくのが良いと思います。

 


以上です。

 

これで、すべての級の要約問題を分析&解説しました。

 

こうして見ると、要約問題は、練習の過程で英語力を確実に上げてくれると感じます。

 

「これまでの試験では測れなかった力=本当のコミュニケーション力」

 

を測るために作られた問題だと感じます。

 

特に大人の英語学習者にとっては、取り組む価値があると感じます。

 

新設問題を敵視するのではなく、練習を通して自分のコミュニケーション力を上げる気持ちで練習しましょう。

 

そうすればきっと、合格証と共に自信を手に入られるはずです。

 

また何か新しい情報が分かったら、ブログ記事でシェアしますね。

 

 

(完)

 

 

 

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From  師範代Shinya(新村真也)

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