古き良き時代と今 | 外資系 戦略コンサルタントの着眼点

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戦略コンサルでマネージャーを務める筆者が日々の出来事を独自の視座で書き綴る


広告の世界では、「絵や映画が好き」というような人が宣伝部を担当しており、いいクリエイターのパトロンになっていたという古き良き時代があったといいます。

その後、宣伝部は企業の独立したマーケティングの機能を担うようになり、その当時よりもタイトに課題や消費者と向き合わなくてはいけなくなったとHAKUHODO DESIGNの永井一史社長は語っています。

それまでは「素敵なビジュアル」を提供できれば評価されていたところが、消費者の分析を基準に表現を決めていくなど、企業の課題に面と向かわないと受け入れられなくなりつつあるといいます。

こうした動きは、以前も書いた、戦略コンサルの仕事が難しくなりつつあるトレンドと一緒のように感じます。
(その記事はこちら 。)


すなわち、戦略コンサルがMBA的な経営知識を提供していれば価値となっていた時代が終わり、実際に課題を解決することが価値となったように、広告クリエイターにとっても、「なんかカッコイイ」という表現だけでは、クライアントから受け入れられづらくなっているということでしょう。

佐藤可士和氏が、“思考を論理的に伝えることなくしては一流となれない”と語ったことは以前も触れましたが、広告の表現であっても、企業の課題のソリューションとならなくては価値を評価されない時代となっています。
(そのときの記事はこちら 。)

そうした中で、論理的に解決策を提供していく仕事であるコンサルティングが、さらに厳しく課題の本質を捉えているかをみられることは当然であるといえます。

もはや一芸に秀でていれば評価される時代ではなく、しっかりと課題を捉え、それに対するソリューションを提供することで評価されるようになりました。
これはコンサルや広告の世界だけでなく、営業も含めどこの業界や機能においてもそうなのではないでしょうか。