怖い話【墓掃除と地獄の大釜】

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目覚めたら顔じゅうにシミが…
手相見てもろたら「生命線」がチョン切れとって、おまけに「結婚線」が影も形もなくなっとった…
…というのはウソです。
まあ、確かに怖いんですけども。
はい、すいません。
まじめにやります。
今は亡きひいばあちゃんの体験談です。
今を遡ることン十年前…
その年のお盆を迎え、
ご先祖様が気持ちよくこの世に遊びに来れるよう、裏山に墓掃除をしに行きました。
墓石をたわしでこすったり古いお供え物を処分したりしていると、
いきなり足下の地面が崩れ、
助けを呼ぶ間もなく、そのまま引きずりこまれるように落ちてしまいました。
気がつくと、地面にできたちょうど人ひとり分の大きさの穴にはまり込んでいました。
腰をぶつけてしまいましたが、幸い大きな怪我はないようでした。
立ち上がろうとして穴の中で手をつくと、
なにやら堅い感触がありました。
土や石とは違うようです。
何でしょうか、大きくて平べったくてちょっと湿ってて、木の板のような…
それに、穴の下のほうにはボロボロになった白い布の端…
…。
……。
そう、
ついた手で触れたのは、
棺桶と経帷子(死者に着せる着物。幽霊が左右逆に合わせて着てるアレ)でした。
どうやって穴から這い上がったのかはあまり覚えてないそうですが、
とりあえず南無阿弥陀仏を唱えながらお供え用のトマトだのキュウリだのを穴に投げ込み、
後も振り返らずに逃げ帰ってきた…ということでした。
<種明かし>
当時、この地域ではまだ座棺(日本昔ばなしなんかに出てくる「棺桶」状のやつ)&土葬が主流だったそうです。
んで…棺は木でできているので、一定期間土に埋めておくとどうしても腐ってしまいます。
なので、腐った棺の蓋が土の重さで崩れた結果、地獄の釜の蓋が吹きこぼれ…もとい、地面に穴ボコができてしまうというわけです。
よって、
ひいばあちゃんは単に運が悪かっただけです。
まあ、確かに怖いんですけども。