今週は毎年暮れにご出演してくださる、湯川れい子先生をお迎えしての木曜会。お寒い中、沢山のお客様にご来場していただきました。

 

 田村が湯川先生と「Do you know」」(ドゥ・ユー・ノウ)の曲が流れる中、ご一緒に登場。数十年前のお話から始まりました。

「Do you know」は湯川先生が作詞して、フランツ・フリーデル、尾崎紀世彦、西城秀樹、宇崎竜童と歌い継がれてきた歌。

「ソニー製品の販売をやっていた関係で、あのエルヴィス・プレスリーの宇宙中継の“アロハ・フロム・ハワイ”をビデオ録画。まだ誰も録画出来る機械を知らなかった時代。テレビを録画するビデオコーダーを売っていた。その録画を見に来て下さいって、ファン7名とやって来たアパート。皆泣いていた。二度と観られると思わなかったハワイ公演。そのビデオを買っていただいたご縁で、毎月音楽評論家たちの集まりに呼ばれて、その前でギターを弾いて歌っていたの。それを思い出して。俺もずうずうしかったな、と思って。あの時の正直な気持ちを初めて聞くけど、どう思って聞いてたの?」と田村が湯川先生に尋ねると、

「うまいと思ったよ。かっこいいと思ったよ」場内は大きな拍手に包まれました。

 

 湯川先生はプロになって58年目になるそうです。

先日観たクイーンをモデルにした映画について、お話していただきました。

現在大ヒット中の映画「ボヘミアン・ラプソディ」。80年代クイーンが活躍していた世代よりも少し若い客層が劇場に来ていました。クイーンを知らない20代の人達が、映画が終わった時に涙を流している姿を見て考えたこと。それはいま信じられることが出来ない時代に「これは本物だ」と自分の皮膚感覚で信じられるものには、人が来るということ。音楽というものは、その時、その時代を彩っていて、ただ楽しいというだけのものではない。本当にいつまでも愛される音楽というものは、時代や流行を超えて、その人の存在そのものを教えてくれている、本当に深いものである。大きなスクリーンで他のお客様達と一緒に、その場のエネルギーをシェアしながら是非観てほしい、と語った後は、

先日来日コンサートを開催していたポール・マッカートニーのお話満載。

ポールは1966年、ビートルズで初来日。今年でビートルズを除いて7回目の来日になります。今回のコンサートは東京ドームが2回、両国国技館1回、最終公演は名古屋ドームで開催されました。先生は20回以上ポールのコンサートに行っているそうですが、今回一番感動したそうです。76歳のポールが、2時間40分歌い続ける。歌い続けながら、必ず楽器を演奏し続ける。それだけでも凄いのに、楽しそうに演奏している。日本に来日する前、カナダでインタビューする機会があり「あなた、どうしてそんなに元気なの?」と思わず聞いてみると「SEXとドラッグさ」とポールは答えました。勿論それは嘘で、彼は40年以上ベジタリアンということです。肉は勿論のこと、チーズや卵、魚も食べない。

それであのエネルギーは凄いと思ったそうです。

 

 スクリーンには、今から9年前のポールのニューヨークコンサートの中から「ヘイ・ジュード」が映し出されました。木曜会のお客様も映像とご一緒に歌ってくださいました。

 

 今回の来日公演最後のコンサート会場名古屋ドームで、サプライズがありました。

3万8千人のお客様の座席に「アンコールでご使用下さい」と書かれた紙の袋が置いてあり、袋をあけると、両目の所だけ穴があいた紙が入っていました。アンコールになり、一斉に会場内のお客様が顔の前にその紙をあてました。ステージに再登場したポールは、客席を見て大変驚き、声をなくすだけではなく涙目になりました。先生も何だろうと客席を振り返って見たところ、真ん中に座っている人は真っ赤な紙、他の人は白い紙を掲げて、客席に巨大な日の丸が出来ていました。また日の丸の上に赤い文字で「Japan Loves Paul」と書かれていたのです。感激したポールは舞台から写した客席の日の丸写真と「日本の人達は美しい。違った文化の国がこれほど心を通わせることが出来るんだ。素晴らしいね。ありがとう」という言葉と共に、公式ツイッターで発信してから、プライベートジェットで帰って行った。

先生は「嬉しくてボロ泣きしましたが、このアイデアを考えたのは何と、ポールを招聘した会社のうちの息子でした」。

お客様から驚きの声と拍手が起こりました。

「つまり田村さんの息子よ!」場内からまた大きな笑い声と拍手が・・・。

 

 会の後半、湯川先生は森になる瞑想法を場内のお客様と共に実践されました。

「森の木も私達も同じようにこの地球上に生きている。自分を1本の木だと思って、瞑想して下さい」

リラックスしながら背筋を伸ばして、上から吊るされているような意識で瞑想していきます。 目を閉じて様々な部位に感謝をする。

ゆったりした気持ちで、頭から目へ、口から胃、心臓、肺、そして大腸、小腸、十二指腸、肝臓へ、最後は皮膚、手足 と骨に感謝。

身体の器官や臓器の名前を呼びながら、湯川先生の人生から紡ぎ出された、実感のこもった感謝の言葉と、柔らかな音楽との調和がお客様を癒していきました。自分の身体の声を自分で聞く。日々自分の身体と心のメンテナンスを心がける。そして自分の感性を豊かにすることが大事とのことです。

 

 再び田村が登場。最後にお二人は笑顔で昔話をしてくださいました。

 

田村 「エルヴィス・プレスリーの次はポール・マッカートニーですか?」

先生 「誰の次に誰かとかじゃないの。比べるものでもないんです」

田村 「失礼しました」

先生 「私の入り口がエルヴィスだったんです。今でもエルヴィスです。

     しかもあなた、お仲人さんよ。分かってるの!」

田村 「あなたが勝手にサインもらっただけじゃないですか。

     でもあの時にエルヴィスに会えたのは俺のおかげだよ。

     俺がエルヴィスに会わせてく れるなら結婚するよと言ったおかげでしょ」

暫く間があいて先生が照れながらこうおっしゃいました。

         「・・・はい。」。

お二人の懐かしく楽しいトークや裏話に、お客様もとても喜んでくださいました。

 

湯川先生、お客様、有難うございました。

                        (平成30年12月15日 古谷 記)