我輩は生まれた国なぞ気にしない。

 

 日本で生まれたから”ワンワン”、米国で生まれたから”Bow-wow”と言い換えるつもりもないし、鑑札料金はどの国に納めておるかも、ドッグフードの消費税は誰に納めているのかも気にしない。この国の四季を愛して、毎日散歩しておるだけじゃ。

 

ましてや、歴史なんぞ全く興味が無いのじゃワイ!!

 

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「新版」日本国紀 上・下 百田尚樹 著 幻冬舎文庫 発刊

 を読みました。

 

 Youtubeで最近騒がしい百田新党・日本保守党代表が書かれた日本の歴史です。単行本だとかなりの分厚い書籍ですが、文庫本ならかなりダイジェスト的にまとめてありそうなので、読んでみました。百田さんは放送作家・小説家で「永遠のゼロ」「海賊と呼ばれた男」は小説も映画も見させていただきました。ネット喧嘩が多く、やや下品な言葉を乱用する印象の方ですが、書籍は本当に面白いのです。

 

 歴史書とか埋蔵物で昔のことを予想するのを歴史学というのでしょう。数年前のことでさえフェイクニュースで満載なので、数千年前なんか、事実かどうかも殆ど分からないのですが、学者的見地の整合制で固めたガチガチの話ではなく、小説家らしい作者の軽妙な推定が随所に入っていて本当に楽しい内容です。まあ歴史書というより歴史物語を読む印象です(私は、真実かどうかは気にしません)。

 

 以下のダイジェストは素人でノンポリの私ではまとめにくい内容です。歴史的事実(学者を含めた歴史認識)とは異なるかも知れませんので、あくまでも百田愛のある「日本物語」としてご理解願います。また、戦中・戦後はいろんな意見も多いので淡白・手短に書きました。

 

「古代〜大和政権誕生」

 日本は約1万年前は縄文人が採取・狩猟・漁労で血族で竪穴式住居で縄文模様の土器で暮らしていました。万物に霊魂が宿るアニミズムも始まり、紀元前5世紀くらいに稲作と銅・錫・鉄器が朝鮮から入ってきて土器も変わってきました(弥生時代)。統一国家の邪馬台国(卑弥呼が女王で有名)が2世紀半ば、にあったようです。その後、天照大神の子孫の神武天皇が九州から熊野経由で奈良に大和政権(4〜6世紀の古墳時代)を作ったと著者は推定します。大和政権は崇神天皇で拡大し、応神天皇、継体天皇と万世一系の男系天皇が不文律化したようです。

 

「飛鳥時代〜奈良時代」

 6世紀後半に豪族の蘇我氏が物部氏との仏教受け入れの戦いに勝って仏教を受け入れ、初めて女性天皇の推古天皇を立てます。その摂政が聖徳太子で、遣隋使を通じて「日出づる処の天子、書を日没する処の天子に致す、恙無きや」という国書を渡します。その後天子と書くのを訝られて「東の天皇つつしみて、西の皇帝にもうす」と記し、初めて「天皇」という言葉を使います。聖徳太子の死後、中大兄皇子(後に天智天皇)が蘇我馬子を倒して孝徳天皇が即位(大津京)した時に初めての元号「大化」が使われ天皇による中央集権国家となり、この頃に国名「日本」が誕生します。8世紀前半には(藤原京・平城京)「古事記」「日本書紀」「万葉集」も誕生して、8世紀後半には桓武天皇が長岡京に移って平安京の下地を作ります。

 

「平安時代」

  794年桓武天皇が平安京に遷都しカタカナ・ひらがなができてきます。一条天皇の二人の妃にそれぞれ仕えたのが紫式部(源氏物語)と清少納言(枕草子)です。仏教は空海・最澄が唐で学び広め、貴族たちの土地を守る武士(源氏と平氏)も出てきて、富裕貴族の藤原氏が娘を天皇に嫁がせ摂政政治を行います(関東では平将門が台頭・鎮圧されます)。1019年には大陸の女真族(刀伊)が日本を攻める刀伊の入寇があるが藤原隆家が撃退します。11世紀末には白河上皇が院政を始め、天皇と上皇の争い(保元の乱)も起こり12世紀半ば(平治の乱)で平氏が絶大な権力を手にしますが、後白河法皇と源頼朝により滅ぼされます。平氏が滅ぶ壇ノ浦の戦いで、平氏が赤字に金丸で源氏が白地に赤丸の旗印を使い、「紅白合戦」の由来となり、源氏の旗印は日本国旗「日の丸」のルーツとなったようです。

 

「鎌倉時代〜応仁の乱」

 1192年に源頼朝は征夷大将軍となり、鎌倉に幕府を立て、執権政治に移行し、承久の乱で後鳥羽上皇軍を破って全国支配します。13世紀末には蒙古軍・高麗軍4万人が日本を攻める文永の役と蒙古軍・高麗軍14万人が攻める弘安の役があったが、台風(神風)もあって元寇を防ぎます(北条時宗)。軍記物語「平家物語」「保元物語」「平治物語」「方丈記」そして「徒然草」ができ、東大寺南大門金剛力士像もできます。法然・親鸞・日蓮が大衆仏教を広め、武士には禅宗が広まります。14世紀初めに後醍醐天皇が討幕に失敗し(太平記)楠木正成・新田義貞が幕府を倒して建武の中興としますが、足利尊氏に滅ぼされます。そして、後醍醐天皇(南朝)と光明天皇(北朝・尊氏側)の南北朝時代となり56年後に足利義満により南北朝は終わり室町幕府の時代となります。日明貿易(勘合貿易)で巨万の富で金閣寺を建て、義政が銀閣寺を建てて「わび」「さび」文化で枯山水庭園が出現。山名宗全と細川勝元の応仁の乱が十年以上続き京都は荒れ、従来の身分制度が崩れ下剋上の時代となります。

 

「戦国時代」

 16世紀半ばから戦国武将の時代となり、鉄砲を武器に織田信長が洛上し1573年に足利義輝を追放して室町時代は終わります。信長は暗殺され豊臣秀吉が天下統一を果たし、信長は一向宗の対局にキリスト教を認め、秀吉は弾圧し、朝鮮派兵で大明帝国を倒そうとしますが老死し、徳川家康が関ヶ原(1600年)と大坂の陣で秀吉軍を破って戦国時代の幕を閉じます。

 

「江戸時代」

 徳川家康が1603年に江戸幕府を開き、武家諸法度で幕藩体制(封建制)を築き、三代将軍家光が江戸屋敷と参勤交代を命じ江戸の町は15万人から当時世界最大の100万人都市に成長します(土木技術も高く神田上水・玉川上水・下水が整備)。そして島原の乱をきっかけに鎖国を始めます。平和な時代が続き文化的にも元禄文化(木版印刷の写本、人形浄瑠璃、俳句、浮世絵)寺子屋文化(高い識字率とモラル)が栄え、荻原重秀、新井白石、徳川吉宗・田沼意次・松平忠信らが経済改革で財政立て直しをしています。江戸の食文化は「蕎麦」「鰻の蒲焼」「天麩羅」「握り寿司」といった外食文化も発達。そして18世紀末頃から産業革命を終えた欧米の鎖国解除・開国の波が押し寄せます。1853年にペリーが黒船で浦賀に訪れ日米和親条約(開国)、日米修好通商条約(不平等条約)が交わされ、幕末の混乱となります。

 

「幕末」

 井伊直弼が日米修好通商条約を天皇の意向に逆らって締結し、攘夷論者を弾圧する安政の大獄をして、水戸藩士による桜田門外の変で暗殺され、以降日本中がテロの嵐(尊王攘夷派、佐幕開国派、新撰組、京都守護職松平容保(かたもり))となります。池田屋事件、蛤御門の変(会津藩・薩摩藩、長州藩の戦い)で長州藩は敗れます。、、、。

 

ここまでが上巻です。

 

「明治維新」

 1863年以降、孝明天皇が攘夷の意向で幕府(家茂)も従うと、薩摩・長州は英国船と戦い敗れます。そこで近代化技術が発展(反射炉、蒸気船)。日本国旗「日の丸」は外国船と区別するため島津斉彬が提案したようです。商社ができて軍備(大砲、弾薬、小銃)を買い国産化(幕府の軍艦咸臨丸で小笠原諸島が日本国領となります(1876年))。日本で初めての貿易商社亀山社中を作った坂本龍馬が薩長連合を成立させる(1866年)。家茂が亡くなり一橋慶喜が徳川家を継ぎ、孝明天皇が急死すると、攘夷・公武合体・親幕府の後ろ盾がなくなり薩長の討幕論が強まり、明治天皇の討幕の密勅が出て、徳川慶喜が大政奉還します。討幕の大義をなくした公家・薩摩藩は王政復古(幕府廃絶・摂政/関白廃止)を発して新政府樹立宣言をします。「鳥羽・伏見の戦い」(1868年)で薩長の新政府軍と旧幕府軍が戦い慶喜の戦場離脱もあり新政府軍が圧勝し江戸城が無血開城されます。

 

「明治の夜明け」

 戊辰戦争で会津・庄内藩らを函館で明治政府は日本全土を制圧(1869年)。その新政府軍の戦死者を慰霊する東京招魂社が創建され1879年には靖国神社となる。五箇条の御誓文を明治政府が発表。江戸を東京と名称変更。廃藩置県。廃城令、欧米への使節団、日本初の鉄道(新橋-横浜)、民間資本の銀行、富岡製糸場、東京大学他の学校、華族の廃止、徴兵制度、地租改正、散髪脱刀令、太陽暦採用、廃仏毀釈で富国強兵・近代化します。また征韓論に絡む政変で西郷・板垣・江藤は下野。台湾出兵で琉球が日本に帰属。ロシアと樺太・千島列島交換条約で千島列島が全て日本の領土化。そして西南戦争(1877年)で西郷は自決し明治維新は終わります。

 

「世界に打って出る日本」

 1889年大日本帝国憲法が公布され立憲政治が始動。衆議院選挙が行われ同時期に「君が代」が作られ、鹿鳴館時代を経て日米修好条約の不平等な領事裁判権の撤廃に成功。1894年の日清戦争で勝利し下関条約で李氏朝鮮は独立、2年後大韓帝国となります。また清から得た遼東半島は6日後に三国干渉(露仏独)で清に返還され、欧米列強が清を蚕食するのに反発した義和団の乱(北清事変)で清は敗れます。ロシアの領土拡大・南下の危険を感じた日本は日英同盟(1902年)を結びます。1904年に日露戦争が開戦

。高橋是清が外債発行して戦費を確保して、日本海海戦聯合艦隊が当時政界最強と言われたバルチック艦隊に一方的勝利するもポーツマス条約で賠償金なし・樺太の南半分を日本に割譲で戦争終結しますが、日本で賠償金なしへの不満が高まります。また反対派の伊藤博文が暗殺等で韓国併合。ノーベル賞級の学者が多く輩出(北里柴三郎他)されアジアで文献引用され、和製漢語(社会・文化・時間・空間・哲学・意識・人民・共産党)も多く使用された。1911年日米修好通商条約の不平等な関税自主権を消去でき、翌年に明治天皇崩御。日露戦争開戦時に反対の御製「よもの海 みなはらからと 思ふ世に など波風のたちさわぐらむ」は1941年日米開戦の御前会議に昭和天皇がこの御製を読み上げた。

 

「大正から昭和へ」

 1914年第1次世界大戦となり欧州28カ国が連合国側と同盟国側に分かれて戦います。戦車・飛行機・潜水艦・毒ガスなどの新兵器が使われ両陣営で人類史上最多の1000万人の戦死者を出す。その結果、欧州は荒廃し米国が力をつけます。国際連盟ができ(1920年)、ロシア革命で人類史上初めての共産主義国家ソビエト連邦が誕生(1922年)。石炭に変わり石油が最重要な戦略物質となる。1923年日英同盟は破棄され、関東大震災が起き、1926年大正天皇崩御、昭和となる。1929年世界恐慌で世界はブロック経済(保護貿易)となり、1932年には満州事変で関東軍が満州制圧(満州国)で日本は非難され、国際連盟を脱退(1933年)。昭和恐慌で五・一五事件(1932年)で犬飼首相が暗殺、1936年に一部の青年将校たちが天皇親政を目指して1400人の兵士を率いて首相官邸や警視庁などを襲撃するクーデター事件二・二六事件が起こしますが昭和天皇が「速やかに鎮圧せよ」と命じ、首謀者らは死刑となり、日本も世界のファシズム潮流へと向かい支那事変が始まります。

 

「大東亜戦争」

 日本は支那事変で国力の全てを中国との戦争に注ぎ込むため「オリンピック」と「万国博覧会」を返上します。ドイツは1939年ポーランド侵攻し第2次世界大戦が始まります。1940年日独伊三国同盟を締結。米国が対日経済制裁を始め1941年に日本への石油輸出を全面禁止(日本は石油消費量の8割を米国から輸入・石油備蓄は半年しかなかった)。1941年12月8日真珠湾攻撃で大東亜戦争(太平洋戦争)が始まる。1942年ミッドウェー海戦・ガダルカナル島攻防戦で大敗、1944年マリアナ沖海戦で完敗しサイパン島が奪われB29の直接日本空襲可能となる。神風特攻隊の抵抗も無力で、1945年東京大空襲(1夜で10万人死亡)、主要都市焦土化(数十万人?死亡)、沖縄戦(20万人死亡)、原爆投下(広島・長崎)でポツダム宣言受諾となる。

 

「敗戦と占領」

 日本はこの戦争で約7300万人の人口のうち約310万人が亡くなりました。南樺太・台湾・朝鮮半島の領土を失い、満州・中国・東南アジアにおける公民含めた全ての資産・施設は没収されました。マッカーサーがGHQを東京に設置。1946年日本国憲法が制定されます。極東軍事裁判(東京裁判)で戦犯は処刑されます。WGIP(戦争罪悪感の浸透)で言論規制され新聞・ラジオでも統制されました。教職追放、公職追放(財界・教育界・言論界で約20万人)、秘密警察の廃止、労働組合の結成奨励、婦人解放、教育の自由主義化、経済の民主化(財閥解体・農地改革)、華族制度の廃止が行われます。

 

「日本の復興」

 大東亜戦争が終わった時点で日本は世界最貧国の一つとなりました。敗戦からわずか19年でアジアで初めてのオリンピックを開催し、世界で初めて時速200キロ以上で走る高速鉄道(新幹線)を開通させ、1968年GNPで世界第2位となるのです。1952年にサンフランシスコ講和条約でGHQの占領は終わり4月28日に日本は独立しました。神武景気、自衛隊発足(1954年)、1955年自民党と社会党の2大政党の55年体制が始まり、1960年の日米安保条約改定で米国は有事の際に日本を防衛する義務が生じ、米軍基地は日本の土地に自由に作ることはできなくなりました。1958年岩戸景気と1965年いざなぎ景気で高度経済成長して世界第2位の経済大国になります。テレビも登場し1964年の東京オリンピックでカラーテレビ普及率が85%となる。1965年日韓基本条約で国交を正常化し、韓国は経済協力協定(11億ドルを日本が韓国に支払い)で、日韓請求権を全て放棄することに合意。1972年に沖縄が返還。1973年ベトナム戦争は終結し、オイルショックが日本を襲います。第4次中東戦争で石油価格がわずか3ヶ月で4倍になったのです(1978年)。外交努力でアラブ諸国からの石油禁油リストから外れます。

 

「平成から令和へ」

 日本がバブルで浮かれている1989年昭和天皇が崩御。バブル崩壊、ソ連崩壊、中華人民共和国が成長し、北朝鮮が核開発し、少子高齢化となり、憲法改正が議論されています。

 

 

 まあ数十年前に私が成人した頃からは、私も歴史の証人の一人なので、ノンポリを意識してダイジェストにしましたが、百田さんにも失礼な書き方になったとは思います。でも、それは本意ではありません。私はあくまでも、百田さんの”日本物語”のファンとして書かせていただきました。心底からのノンポリなのです。

 

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 株は低迷して10月も終わりそうです。衆議院選挙が終われば利上げかな?と思ってましたが、衆議院解散は今年中はないようですので、利上げも年内はないのかな?と思う今日この頃です。