我輩は瞑想した記憶がない。
 
人間は何かを感じて、それからあとで、好き嫌いも含めて判断して、何がしかの行動をするようじゃ。しかし、それは妄想じゃ。大脳生理学によると、何かを感じて判断する前に、なにかの脳波が勝手に反応しているのじゃが、人間は全くそのことを認識できていない。むしろ我輩の方が下らぬ邪念がないので、その判断以前の脳波に素直に反応して自然に生きておったと、今にして思う。たぶん、、
 
瞑想とは、その邪念をスルーする能力を鍛えることなのかもしれぬのじゃワイ!!
 
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ヴィパッサナー瞑想体験記
「なぜ僕は瞑想するのか」 想田和弘 著 集英社 発刊
を読みました。わずか124頁ですのですぐに読めますが頭に入ったかどうかは定かではありません。
 
 書籍として、体験記としてその瞑想の過程を書いてありますが、これは実体験しないと本当のことは分からないと感じました。しかも内容は素人には怪しげで、奇怪な書にみえて心配です。いまはやりのマインドフルネスとか座禅の話なら安心できますが、これはもうスピリチュアル的で、新興宗教風なので、暗示にかかりやすい私は細心の注意をもって接しないとオウム真理教的な集団に取り込まれる懸念も生じていたのです。
 
 そこで著者のWIKIPEDIAを調べてみました。映画監督、脚本家・演出家・ジャーナリストで50歳程度の方でドキュメンタリー分野で活躍し米国在住されています。東大文学部宗教学科を創業しNYで映画学を学び映画でヴェネツイア国際映画祭銀獅子賞ノミネートされた経験があり、NHKでドキュメンタリー番組を演出他で活躍し米国放送界最高の名誉とされるピーボディー賞を受賞されてます。が、オウム幹部関連に関して江川紹子氏と見解を異にしている方です。むむむ、、。やはり私のようなミーハー族は注意して読むべき書かもしれません。
 
 マインドフル瞑想の元となっているのが、実はブッダが2600年前に再発見・実践した「ヴィパッサナー瞑想」であるということは、あまり知られていない。
 
 この記述を読んで、少し心配になってチャットBPTの進化系のBingチャットAIでヴィパッサナー瞑想について聞いてみました。”中立的な意見を確認”する意味です。
 
 
これで安心しました。本書の内容と合致してますので私の個人的な懸念はすこし払拭されましたので、以下に本書の内容を簡単に紹介させていただきます。
 
 
 想田さんは、ひょんなことからヴィパッサナー瞑想10日間コースの合宿に参加され、その体験記を書いています。日本に2か所(京都、千葉)ある瞑想センターのひとつの千葉で10日間合宿(無料:ただし費用は本人が決めた額の寄付支払いでOK)されたそうです。合宿時は5つの戒律「殺生しない」「盗まない」「性的な過ちを犯さない」「嘘をつかない」「飲酒や禁煙やドラッグをしない」を守ることを誓約させられます。
 
 そこから後は、瞑想の世界でアドバイザーみたいな方もいて、合間に瞑想の師(故人)の訓話とともに、少しずつ団体やグループ生活のなかで、言葉を交わすこと目くばせまでも禁じられて、極めて個人的に瞑想訓練を進めていくのです。10日後にどのレベルになったかは個人の認識でしか確認できない世界のようです。
 
 肝の部分は、ブッダは「苦」が生じる過程をヴィパッサナー瞑想を通じて見破り、それを滅する方法を発見したことです。私たちの心は①意識 ②知覚 ③感覚 ④反応 という4つのプロセスで構成されています。
①意識が、6つの感覚器官(目、耳、鼻、舌、皮膚、思考や感情)が何かと接触したときに「何かが起きた」という情報を受信し、
②知覚がその情報を識別・分類する。
③感覚がそれを「快/不快/中立」に分け
④快感には「好き(渇望)」、不快感には「嫌い(嫌悪)」の反応をする。
 実際には、この4つのプロセスは猛スピードで繰り返し行われていて、瞬間的な心の反応(好き/嫌い)が無意識に繰り返されるうちに、それは「心の条件付け」となり、どんどん強化され、固定されて「執着」となる。これが「苦」の原因となるのです。
 
 そして「苦」の正体は「無常」なのです。
 
瞑想によって意識・知覚・感覚を研ぎ澄ませて、これまでの長い人生で蓄積された③④の快感・不快感バイアスを浄化させて、さらに俗世間との関わりを殆ど切り捨てて”自分に関係ある関わりだけに特化”できるようになれるのがこの10日間合宿の成果のようです。
 
 最後の想田さんの述懐がこの合宿の成果を暗示しているかのようです。
 
 僕は昔から「平和主義者」を自認してきた。この世から戦争や抑圧、不公正や貧困がなくなることを夢見て、社会に対して積極的に発言してきた。その意図そのものは善意であり、不純なものはなかったと信じている。 しかしその言葉や行動には、ほとんど必ずと言ってよいほど、怒りや苛立ちを原動力に、僕は自分自身を奮い立たせてきたのだと思う。
 だが、それはまるで、海に流出してしまった原油を回収するために、燃料タンクに穴の開いた船で活動するようなものである。原油を回収しながら、自分の燃料を垂れ流し、新たな汚染を広げてしまっているのである。
 まずは、僕自身の船の穴をこそ、ふさぐ努力をせねばならない。そのために、僕は今後も瞑想修行を続けていくことであろう。いや続けねばならないのである。
 
 
 いやはや諸行無常の世界です。どんなに頑張っても所詮地球は30~50億年後には消滅しますし、日本列島は5000万年後にはなくなっている可能性が強いです。感覚というのも曖昧で皮膚で感じる意味は、素粒子のレベルでは電子と電子がぶつかる衝撃を感じるだけで、その確率はビッグバンの時から運命的には必然なのかもしれません。 ということで
 
 自分に関わる事だけに着目して、今を真剣に生きるだけで充分なのかもしれませんね。最近は自分の意識ですら、宇宙の塵の一部でしかないと、ときどき達観?してしまう怠け癖が出てきました。もっともっと脂汗でギラギラする世界を求めるべきかもしれません(^^♪
 
【参考】BingチャットAIの要約版はこうなりました
「なぜ僕は瞑想するのか」想田和弘著は、映画作家の著者が2600年前ブッダが実践したというヴィパッサナー瞑想に挑戦した体験記です。10日間スマホもパソコンも財布も預けてひたすら座って修行する中で、著者は自分の心や身体に起こる変化をリアルに描き出しています。瞑想の効果や意義、困難さや楽しさなどを赤裸々に語るとともに、現代社会で生きる人々にとって必要なメッセージを伝えています¹²。
 
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 株は不調です。年初の勢いが消えてしまいました。今晩のFOMCで息を吹き返してもらいたいものです。(銀行システム破綻のリーマンショック並みの株暴落とか、利上げはもうできなくなるとかで株価暴騰とか賑やかです)