これも同じく再掲載です。

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「度量を持つ」の続きその2です。(予定ではその3まで)
ボランティアなどの社会活動は「お互い様」ということについてですね。


「度量を持つ」では、運営者が参加者のためと思ってしていることも、それをすることに
よって運営者自身のためにもなるということを述べました。


その「お互い様」という相互作用的意味合いから、今回はもっと踏み込んだ見方である
協働としての意味合いの社会活動の「両面性」について考えてみたいと思います。


前者の「お互い様」というのは、参加者にとっての目的(主)を通して運営者にも得るもの(従)が

ある、ということに対して、後者の「両面性」は参加者ためという目的と運営者のための目的の

両方が活動の第一義的な目的となります。


社会活動での相互作用は通常、次のように考えられています。

※「お互い様」として紹介した目的・作用
  してもらう(主目的・参加者)←→してあげることによって得る物(従目的・運営者)


これを活動にもよりますが次のような趣旨を持つことも可能になります。

※「両面性」の目的・作用
  してもらう(主目的・参加者)←→してあげることによって得る物(従目的・運営者)
  してもらう(主目的・運営者)←→してあげることによって得る物(従目的・参加者)
  という同一の関係性が双方向に働いている。



どんなことかというと、例えば、公共施設などでよく行なわれている、地域の高齢者が
小さい子どもたちに絵本の読み聞かせをしている活動などを思い浮かべてみてください。


この例では、参加者である子どもたちも行事等に参加することによって、擬似的に高齢者の
孫となり、高齢者は年長者として非常に尊重されることになります。
このことは、高齢者でも何かの役に立てるのだ、という満足感・充実感を感じることができ、
さらには自己の存在価値を確かめることで、そこから生きがいを見い出してもらう機会に
なるのです。



社会活動では、高齢者にとっての目的を含めたものを我々の活動の主目的のひとつとして
いくことで、例えば定年退職をし、家では奥さんから粗大ごみ扱いをうけてしまうように
なってしまったとしても、外では少しでも役に立っているんだという充実感を持っても
らうことが可能なのです。
そう、私たちもいずれは年老いていくのですから。



私も今、近い考え方を持つ必要のある活動に携わっています。
今回のテーマも「度量を持つ」の項同様、その活動での年配スタッフから伺った話をきっかけに
社会活動における意義を見つめ直してみました。