横浜の赤レンガパークはちょうど1年前に訪れたところだ。イベントも同じ横浜国際映画祭のレッドカーペットである。

 

 

1年前はこの先どうなるのだろうと落ち着かない気分の中にいて、何でもいいから答えが欲しくてここを訪れた。

 

けれどもそのときは、何かが変わったとかはなくて、しばらく成り行きに任せようという結論になったのだった。

あれから1年。またこうして赤レンガパークを訪れる。去年と同じ、昼下がりと夕方の谷間で少し暑いくらいの陽気、ステージ背後の海の波は音も聞こえない程穏やかだ。

 

目に見える風景、耳に入ってくる音、肌に感じる日差しも去年と同じで、何も変わってはいないように見える。

だけれども、このまままた成り行きに任せていこうと感じているかといえばちょっと違う。時が流れれば感じることは変わっていく。

 

なぜなら、この1年いろいろな経験を重ねて、少しずつでも歩みを進める姿がステージ上から感じ取れたように思えるからだ。

 

ステージを見ていると、自分の中では変わっていないと思えていたことが、変えられていくような気がする。

 

それはまだ漠然として何とも言えないようなものであるのだけれども、昨年感じたこの先どうなっていくのだろうという不安めいたものは薄くなっていく気がした。