PIST6は競輪のレース大会の1つで、TIPSTAR DOME CHIBAで開催された。疾走する自転車のスピードには圧倒される迫力がある。

 

さて、アリーナ席というのは一生縁がない席だと思っていた。今まで抽選に当たったことがないし、これからもないだろうと。

だからステージを見るときは、ライブ会場の2階や3階から見下ろすか、イベント会場でステージを見上げる2パターンの角度しかない。

 

ところが今回は思いがけずアリーナ席に入ることができるというまさに千載一遇の機会を得ることができた。

しかも10mもないくらいの至近距離、例えるならステージ最前列くらいの距離感で、こういう光景はもちろん初めてのことだった。

 

実際アリーナ席で見ると、迫力がまるでちがう。表情もくっきりしているし、何よりも隔たれているという感覚がない。

最前列を押さえるために、徹夜で陣取る熱烈な人たちがいる。そういう熱量まで持つことはなかったのだけれども、今回その熱量がわかったような気がした。

 

さて、今後の展開はまだ何もわからないけれども、結果としてこれが最後の地域イベントになった。

本格的に行くようになって約5年。朝一の飛行機で北海道や九州の遠くへ発ち、これまであまり意識することがなかった山陰地方とかいろいろなところに出かけた。

 

新型コロナウィルス流行前は、こういうイベント兼旅行というのがずっと続いていくと疑わなかった。だから楽しい夢から不意に目が覚めたような気分になる。

 

ステージはそんな不思議な夢の世界を増幅する。アリーナ席の臨場感は、最後にいい記念になった。