備後国府まつりが開催される府中市は、広島県福山市から福塩線で40分くらいのところに位置している。

 

主演映画「いちばん逢いたいひと」のロケ地であり、その縁でこの日のゲストとして招かれたというようなことがイベントの告知に書いてあった。

 

話は脱線するが、2019年10月12日ABA番組まつりに行こうとしていて台風に阻まれて行くのを断念した。鉄道が計画運休になってしまったためである。

 

その時はまた次の機会にと軽く考えた。まさかその後何年も各種イベントが取りやめになってしまうとは、この時点では想像できるはずもない。

 

もちろんその間、オンライン配信だったり、テレビ番組だったり見る機会がなかったわけではない。

 

でも何年にもわたって直接見る機会が失われてしまったのは、なんだか取り返しのつかないことになってしまったという感覚があった。

 

3年前と今は明らかに違う、3年前に行かなかった後悔が脳裏に浮かんでくるのを打ち消す作業が必要になるだろう。

 

そういう漠とした不安を抱えながら出かけて行ったのだけれども、実際の現場で見ると、それは杞憂にすぎなかった。

自分の頭の中には、各種イベントが取りやめになっていた時間は、いたずらにすぎてしまったのだという先入観がが強かったのだと思う。

 

アイドルの活動期間は短い。それを考えると活動が制約を受けてしまったのは、致命的な損失にちがいない、と。

けれども実際に現地に出向いて見てそれは違うとわかった。たしかに貴重な時は失われていたのだろうが、決して停滞していたわけではない。

 

再び制約のないアイドル活動ができるときのために磨きをかけることを忘れはしない、以前よりも洗練さが増した、そんな印象を受けたのだった。