治療歴⑱の続きです。

 

あれあれ、どこかの誰かさん、「11月中にブログを書き終えることが目標」とか言ってたのに、気づけばもう12月じゃないですか!

 

有言実行のプレッシャーを自分に課そうと思って宣言してみたものの、言ってみるだけじゃダメなんですね。全然守れていない、このかっこ悪さ(´▽`)

 

私がブログ放置している間にも治療が成功し、妊娠されている方がいらっしゃったら、おめでとうございます。

 

というわけで、気づけば2022年冬

 

「締め切り」までに書き終えられるのか甚だ疑問ですが、このブログもこの中途半端状態で放置はマズイ(しかもどうやら更新していない間も新規で見てくださっている方々がいるらしい!)ので、ひとまずできる範囲で、できるところまでまとめていきます

 

途中で更新が半永久的に止まったら、「あ、『締め切り』が来たんだな」と悟っていただければ…。その場合、再開はおそらく、将来融解胚移植を再開するタイミングになることかと。

 

というわけで、言い訳 前置きが長くなりましたが、

 

6回目の胚盤胞移植(※花みずきウィメンズクリニックでは1回目)での初めての妊娠、9w4dで稽留流産が判明した後の情報と心の整理のお話です。

 

 

 

目次

1. 妊活開始~桜の芽CL・恵比寿つじCL

2. いわもとCL採卵①②+帝京大学男性不妊外来

3. いわもとCL怒涛の連続移植周期①~⑤

4. いわもとCL移植⑥~I院長からの転院勧告

5. 杉山着床不全外来検査周期~慢性子宮内膜炎

6. いわもとCL最後の採卵、最後の移植⑦

7. 凍結胚移送~花みずきCLで移植①~初妊娠

8. 稽留流産。子宮内容除去術~流産とモフモフ←今ココ

9. 流産後治療再開。移植②~花みずきCL卒業 

■ 2つの宿題

9w4dの卒業診察で稽留流産が判明した日、Y先生から翌日までに考えてくるよう伝えられたのは、

 

・手術の日程

・術後胎児の染色体検査(POC検査)を行うか否か

 

の2点。

 

流産の週数や胎児の大きさによっては手術でなく、自然排出の選択肢も与えられるかと思いますが、私の場合、胎児の大きさ的に手術一択だったと記憶してます。

 

処置方法の選択や、手術の種類については日本産婦人科医会のウェブサイトにも解説がありますね↓

 

このアルゴリズムに則ると、胎芽(胎児)が10mm超えると基本的に手術みたいです。

 

 

 

■ 流産判明翌日:「2人」で臨む最後のお仕事

稽留流産が判明した翌日、本当は家で1日泣いて過ごしたかったけど、仕事に穴あけると非常にまずい日だったので、がんばって仕事に行きました

 

しかも、この日に限って普段はフリーの午後にまで、単発バイトをねじこんでしまっていた私…。こっちもまじめに行きましたよ。初めての職場じゃなかったのがまだ幸いだった…。

 

不妊治療中はドタキャンのリスクを恐れて単発バイト回避してたんですが、妊娠してからは解禁してしまってたのよね…。

 

午前午後とも仕事しながら時折、Y先生の「心臓、止まってしまっていますね…」の声が頭の中でリフレインしてウルウルしそうになったけど、

 

お腹の我が子と一緒にお仕事ができるのも今日が最後!と気合いを入れて、何とか勤務修了までトラブルなく過ごせました。

 

外来に妊婦や乳幼児が来なかったのが幸いでした。

 

 

■ POC検査、、、どうするか

稽留流産判明日から翌日までの1日弱で私たちに課された宿題処置はいつにするか、POC検査をどうするか…。

 

とても難しい選択でした。

 

この選択を流産判明当日に患者にその場で迫るような、鬼クリニックじゃなくて良かった

 

だって、流産判明当日は流産してしまったことを認めたくなくて、考えること自体、脳も心も拒否

 

まずは処置そのものに対する大きな不安がありました。

 

武蔵境いわもと婦人科クリニックのI医師から、妊娠できないのは「70代のように薄い内膜」のせいだ、と散々ケチをつけられたのに、流産処置でまた内膜が厚くならない体質になったらどうしよう…。

 

「内膜の厚さ」に対する不安も再燃。

 

注:私の場合、内膜が厚くならなかったのはいわもとクリニック通院中のみで、花みずきクリニックでは何の問題もなく内膜が厚くなったことは、これまでの治療歴に記述した通りです…。

 

その上、学生時代に産婦人科ローテ中、D&C(内膜掻把)見学が気持ち悪すぎて卒倒しかかったときのことを思い出し、

 

「あんなの、絶対ムリ!」

 

とにかく脳も心もそれ以上の思考を拒否。

 

染色体検査に関しても、検査のために胎児を切り刻むことになるのではないかと考えると、

 

「そんなの、絶対ムリ!」

 

こちらも脳がそれ以上の思考を拒否。

 

でも、翌日までにはY先生に夫婦としての決断を伝えなければいけません。

 

情報へのアクセスを拒む私の脳に代わり、旦那君が処置のこと、染色体検査のこと調べてくれました

 

ありがたかった…。

 

 

■ 流産処置。時代は変わっていた!

まず、流産の処置について。

 

D&Cへの恐怖心かつ嫌悪感が半端ない私でしたが、幸いなことに、私が産婦人科ローテしてからは10年以上の月日が経っておりました。

 

昔は流産処置といえばD&Cが主流だったけれど、最近では内膜に愛護的な吸引法(MVA)で子宮内容を除去することができ、花みずきクリニックでもその処置を採用している、器具も内膜を傷つけにくい最新のものを使用している、という記事を当時のクリニック公式サイトで発見。

 

Y先生のブログの一記事で、クリニックの名称が変わってからは残念ながら削除されてしまっているようですが、

 

「流産後の処置は次の治療の始まり」

 

というY先生の考えのもと、いかに愛護的に処置を行っていらっしゃるかが書かれていました。

 

この記事を読んで、

 

「この先生になら安心して処置をお願いできる」

 

心からそう思えました。

 

今でもD&Cしかやっていないクリニックだったら、と考えると、さぶいぼが立ちます。

 

 

■ 染色体検査について

結果から言うと、胎児の染色体検査は受けました。

 

処置後の検体を使って行うPOC検査というものです。

 

ERAとかEMMA/ALICEで有名なスペインのIgenomixがやってますね。参考までに公式サイトの説明文貼っときます(※当然ながら、私とIgenomixの間で"COI"(利害関係)はありませんw)

 

 

 

最初は

 

「染色体異常があるかどうか調べてどうするの?」

 

「死んだ赤ちゃんに異常があったかどうかをわざわざ調べるかなんて、ケチつけるみたいでかわいそうじゃないか…」

 

「検査のために、我が子を切り刻まなければいけないの…?」

 

と、検査に対してあまり前向きになれませんでしたが、旦那君と話し合った結果、

 

「せっかくここまでがんばって大きくなった赤ちゃんが私たちに残してくれた、大きなヒントになるかもしれない…それを活かさない方が失礼だ」

 

「もし赤ちゃんの染色体異常でなく、私の身体に流産の原因があったら…?そこを明らかにせずにまた流産を繰り返してしまったら、今回の赤ちゃんの死を無駄にすることになる」

 

といった考えのもと、検査を受けることにしました。

 

 

■ Y先生外来ですべて納得!

仕事が終わった後、その足で吉祥寺へ向かいました。

 

仕事中はさすがに涙出なかったけど、吉祥寺の改札口で旦那君を待っている最中、涙と鼻汁まみれの私でした。

 

旦那君の胸で出すもの(涙と鼻汁)全部出してから、花みずきクリニックの外来へ

 

手術は3日後になりました。

 

もう少し早めにしてもらうこともできたけど、仕事もお休みをいただき、2日間くらいお腹の子と最後の時間をゆっくり過ごしたかったので…

 

そして、

 

POC検査の「切り刻まなければいけないのではないか」問題について、Y先生に不安を伝えたところ、

 

そもそも吸引術で子宮内容を除去した場合、胎児は吸引された時点で粉々になってしまい、原形をとどめていない状態になる、

 

だから検査の有無に関わらず処置後の胎児組織を患者さんに見せたり、返したりすることはないんです。

 

 

との説明がありました。

 

あとは胞状奇胎の可能性がないかの病理検査はいずれにしても必須なので、検体(胎児)自体は検査に送られます、と。

 

これで、すべて納得がいきました。

 

処置のことも、検査のことも。

 

流産直後でメンタル崩壊傾向の私に、文面および口頭で必要十分な情報を優しく提供してくださったY先生には本当に感謝です。

 

そして、最大の感謝の山場はこのあと

 

 

■ 流産患者の最後のわがまま

今後の相談が終わり、ひとつ気がかりだったこと

 

それは旦那君のこと

 

2回目の心拍確認までのエコー写真は旦那君に見せていましたが、旦那君は赤ちゃんの最後の姿を見ていません。

 

この日、外来に少し余裕がありそうだったので、最後に旦那君にも赤ちゃんの今の姿を見せてあげられないか、Y先生に思い切って相談してみたところ、快くエコー検査していただけました(T_T)

 

やっぱり心臓はもう動いてなかったけど…

 

初めて目の前でエコーを見る旦那君向けに、パーツごとに丁寧に説明しながら4枚ほど写真を印刷してくださりました。

 

このときに印刷してもらった、赤ちゃんが臍の緒で私とつながっている姿は、今でも私の宝物です。

 

 

■ 流産後から始まっていたグリーフケア

仕事で緩和ケアに携わることもある私ですが、

 

流産後の翌日再来指示、

 

細やかな情報提供、

 

配偶者が同席できる環境、

 

そして最後のエコー

 

これらはすべて、初めての妊娠が流産に終わってしまった私にとって、赤ちゃんとの離別を乗り越えるグリーフケアの一部になったと感じています。

 

※グリーフケア:配偶者や子供、親などの家族、親しい友人などと死別した人が陥る、複雑な情緒的状態を分かち合い、深い悲しみから精神的に立ち直り、社会に適応できるように支援すること(コトバンク)

 

流産後の医師の対応や処置の流れ、流産後の診察に配偶者が同席できるか、などはクリニックによって対応が大きく異なるかと思います。

 

私は初めての妊娠から、流産後に赤ちゃんをお見送りするまでの期間、花みずきウィメンズクリニックでお世話になることができて良かったです。

 

~つづく~

 

※上記はあくまで私個人の体験です。同じように花みずきウィメンズクリニックで流産が判明した方でも、当日のクリニックの状況、流産された方ご自身の病状等によっては、私と異なる経験をされることもあるかもしれない点、ご留意ください。