ドールを手放すことにしました。

 

お迎えしたのは10年近く前、大学生の時。

アルバイトをしているとはいえ、スーパードルフィーはなかなか高額でした。

けれど、アニメイトの近くにある天使のすみかで見かけてからずっと憧れていた存在。

ずっと頭から離れませんでした。

社会人になれば、ドールを養える。

そんな考えでお迎えしました。

 

お迎えした時は、可能な限りお世話しよう。目一杯可愛がろうと思っていました。

最初の頃はよくお洋服も作ったし、お着替えや撮影もしました。

アイや関節を変えてみたり、メイクしてもらったり。

 

でも今は、部屋の片隅に飾られているだけ。

 

それだって別に悪いことではない。

お出かけや着せ替えをしなくても、ドールがいる。

それだけで救われているものが確かにありました。

 

正直、自分はどちらかと言うとウェット寄りですが、

ドールは物であると、思っています。

何もしなくてもそこに在る。

何かして、返ってきたと思ってもそれは自分の心が考えたもので、

実際にドールから発せられたものではない。

 

手放す決断をしたのは自分です。

ドールは何も悪いことをしていません。

だって物なので。

 

それでも確かに出会いました。

あの日出会って、見つめて、この子だ。って選んで。

触れて、話して、支えてもらいました。

 

ドールを手放すくせに、なんだ、と思われそうですが、

私はこの子を嫌いになったわけではないんです。

時間とか、場所とか、色々足りない。

今の私にはこの子と接する余裕がない。

 

後悔しないか、何度も考えました。

箱に入れてでもいいから、置いておいていいんじゃないかとか。

ヘッドだけでもいいんじゃないかとか。

もう数年前から、何度もお別れがよぎりました。

 

そんなときに公式が始めた「お別れサービス」

私にとっては、理想でした。

 

オークションや買い取りで、値段を付けるわけでもない。

里子に出して、この子を捨てた分際でこれからを見守ることも辛かった。

捨てるなんてもちろんできない。

お別れサービスは賛否両論です。

かなり人を選ぶサービスだと個人的には思います。

 

ただ私にとっては、この子を返せる。

これからを見ることはないけれど、どこかで暮らしている。

それがとてもしっくりきました。

 

やりとりには数ヶ月かかるそうなので、

実際今でもドールは手元にいます。

今の気持ちがどこかのだれかの参考になれば幸いです。

 

お別れサービス利用の詳細についてはすべてのやりとりが終わった後に

また更新しようと思っています。