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スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー(2004年)


【鑑賞日:2004年11月29日】


先週末の土曜日から公開が始まっている「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」を鑑賞して来た。

予告を見ている時から気になっていた、あの白くぼやけた画面(ソフトフォーカス)が、最初こそ目障りに感じたのだが…映画全編を通してみると、この映画に関しては、あの映像表現が成功していたように思える。人物以外は、ほとんどがデジタル技術の映像(最新のCG、VFX技術を駆使しているのだろう)で、作り物めいた感じが拭えないのだが…、それを逆手に取ったのか、いかにもおもちゃが動いているような(フルCGなんだけど)、ロボットや戦闘機などのメカまでもが妙にチープな映像で…作品全体のレトロ感と非常にマッチしていた。

SEなども、拘ってるし(キル・ビルでタランティーノも香港映画の効果音を使っていたが)大昔の特撮映画やロボットアニメのような雰囲気がよく出ている。グウィネス・パルトロウが、活発な美人新聞記者というお約束なキャラクターなのも…アメコミものや、日本の東宝特撮を想像させる。ストーリーなどを詳しく調べないで観に行ってしまったので、アンジェリーナ・ジョリーは、てっきり悪役だと思っていたら…主人公たちの味方だったんですね。あの眼帯している姿だけが、印象に残ってて…海賊のボスか何かだと思っていた。出番少ないのが、ファンとしては寂しいが…アンジーねーさんが出てきた途端、影が薄れてしまったグウィネス嬢

を見ていると、思わず拍手を送りたくなった(ホームシアターだったらやってただろうな)。ぜひ、フランキー・クック(アンジーねーさんの役名)を主人公にして、続編作って欲しい(笑)鉄人28号のリメイク版アニメとか、大友克洋のスチームボーイなんかが面白く見れた人には、けっこうお薦めだと思いますよ!多分、DVD出たら買うと思う(笑)


監督:ケリー・コンラン
出演:ジュード・ロウ グウィネス・パルトロー アンジェリーナ・ジョリー ジョヴァンニ・リビシ マイケル・ガンボン 






ルパン三世 風魔一族の陰謀(1987年)


ドラえもんの声優さんが、来年から変更になるということでマスコミでも話題になり、声優業界は大変らしいが…長寿作品の声優変更で思い出すのは、やっぱり「ルパン三世」。ルパンの場合、毎回、作品によって顔(キャラクターデザイン)が全然違うのに、お馴染みの声優さんたちの声のおかげで、すんなり作品に入り込めちゃうから、やっぱり声優さんの力って凄いと思う。

ルパンの声優さんもご高齢のベテランが多いのでそろそろ変わり時なのかもしれないが…ファンとしては、今のメンバーで出来る限り続けて欲しいものだ。初代ルパン・山田康雄さんが亡くなった時は、もうお終いだと思ったが…山田さんのモノマネをやっていた、栗田貫一がピンチヒッターとなり…最初こそ違和感を感じたが…今ではすっかり定着してしまった。従妹の子供がルパン好きというので、ウチに遊びにきた時に山田ルパンのDVDを見せたら、“ニセモノのルパンは嫌い”なんて、そっぽを向かれた時は、正直ちょっとショックだった。

その従妹の子供に、“本当のニセモノのルパン”はこっちだよって、見せてあげたら、もっと嫌がるだろう作品が「ルパン三世 風魔一族の陰謀 」。

実は、まだ山田康雄さんが亡くなる前にも、一度だけ声優のリニューアルが行われたことがあるのだ。ルパン役を古川登志夫(うる星やつらの諸星あたる、ガンダムのカイ・シデン)、次元役を銀河万丈(ガンダムのギレン・ザビ)、五右ェ門役を故・塩沢兼人(ガンダムのマ・クベ、究極超人あーるのR・田中一郎)、不二子役を小山茉美(ガンダムのキシリア Dr.スランプアラレちゃんのアラレちゃん)、銭形役を加藤精三(巨人の星の星一徹)…と、オリジナルに負けない豪華ベテランキャストの方々(ルパンファミリーが全てファーストガンダムのキャストだし)。でも、正直…これは冒険しすぎだった。皆さん素晴らしい声優さんだし、演技も決して下手じゃないんだけど…“ルパン三世ではなかった”。結局、こんな感想を持ったのは自分だけではなく…ほとんどのファンの方が同じ気持ちだったのだろう。このキャストでは、二度と作品が作られなかった。

しかし、アニメーション映画としての出来は捨てたもんじゃなかった。監修という立場で、大塚康生さんが入っているので、けっこう初期TVシリーズに似た雰囲気が出ていている。また和風テイストになった、“カリオストロの城”とでも言うべきか…ソックリなカーチェイスも出てきます。

声優さんもメインキャスト以外は、意外とイメージもピッタリなんですけどね。悪役の千葉繁さんの、相変わらずのハイテンションぶりとか…カリオストロの城で庭師の老人(ルパンたちを助ける)をやっていた宮内幸平さんがキャスティングされているというマニア好みの人選とか。

世間的な評判の悪さだけで、けっこうこの作品に手を出していないファンもいらっしゃるのではないですかね?騙されたと思って、一度観てみてください…声は駄目ですが、物語はちゃんとルパン三世しています。これが、オリジナルキャストだったら、きっともっと有名になっていたと思うのですが…残念ですね。

最後に、ふとっ、今思ったのだで、最初のドラえもんの話に戻るが…ドラえもんの新しい声優、清水ミチコなんてどうだろうか?ルパンがモノマネタレントで成功したなら…ドラえもんもモノマネタレントでいけるのではないだろうか?


演出:大関雅幸 監修:大塚康生 原作:モンキー・パンチ
出演:古川登志夫 銀河万丈 小山茉美 塩沢兼人 加藤精三 荘真由美 千葉繁 中原茂 島香裕 山寺宏一


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DVD ルパン三世 風魔一族の陰謀






ガールズ・ルール!100%おんなのこ主義(1998年)


昨日、昼間のワイドショーで、おすぎ が、「ニュースの天才 」のPRで来日したヘイデン・クリステンセンにインタビューしていた。そんなヘイデン・クリステンセンも微妙なチョイ役で出ている(日本でビデオ、DVD化されたのが2002年のことだったので、ちょうどSW エピソード2も公開と重なり、ヘイデン・クリステンセン 出演作ということで一部で話題になった)、「ガールズ・ルール!100%おんなのこ主義 」という、いかにも安っぽいタイトルがついてる、劇場未公開作品を紹介したいと思います。

ほんと、安っぽい作品なのですが…大ブレイク前のレイチェル・リー・クックキルスティン・ダンスト (こっちは子役時代からメジャー映画にいっぱい出てたけど)、モニカ・キーナ をはじめ、かつて子役スターだったような、美少女・美少年系俳優がちょこちょこ出ている。あと、「ウェルカム・ドールハウス 」で主人公やっていた、物凄くブサイクな女の子とかも…。

60年代の全寮制女子高を舞台にした…ティーンズ・ムービーの類。所詮未公開作品であるので、最近のティーンズムービーと比較するとハジケ具合が足りないが、やっぱり下品で、下ネタ満載で…でも、最後はちょっぴり感動的でもあり…ブラックな後日談ありで、そこそこ楽しめる1本!この年頃は、男も、女も…考えてることは、みんな同じ(つまり、異性とヤル)ってことだな~って思いながら観てしまいました。

クソ真面目な優等生キャラを演じるレイチェル嬢が、物凄く可愛いのだが…出番は少ない。姉御肌のキルちゃんも…途中から出番が激減。メインキャストのファンの方なら、押さえたほうがいい1本!


監督:サラ・ケルノチャン 
出演:キルスティン・ダンスト チャビー・ホフマン リン・レッドグレーヴ レイチェル・リー・クック


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DVD ガールズ・ルール!100%おんなのこ主義






理由(2004年)


今年の春頃、WOWOWで放送されたハイビジョンドラマで、宮部みゆきのベストセラーを大林宣彦監督の手で映像化した「理由 」が、12月から劇場公開されるらしい。自分はWOWOWの放送を録画してあるので、劇場まで観にいこうとは思っていないが…劇場公開後はぜひ、DVD化して欲しいと思う。そうしたら絶対に購入するだろう。

殺された家族は、赤の他人だった…荒川区の超高層マンションで起きた一家惨殺事件の謎を…関係者の証言から真実を導き出していく。

宮部作品といえば、森田芳光が監督した「模倣犯 」の映画版に激怒したファンが多いと思いますが(原作者の宮部女史もかなり憤慨したという噂が囁かれたほど)…、この「理由」に関しては、心配ご無用です(などと、偉そうに言ってますが… 「理由」の原作 は未読です)。次から次へと出てくる、総勢107名の有名俳優による、登場人物たちの証言だけで、物語が進んでいくという、不思議な作品であり、しかも上映時間160分という時間的にも長い作品なのですが…全然飽きないんです。原作を忠実に映像化したと監督も言っていましたので…今度は原作ファンも納得できるのではないでしょうか?

事件の捜査をしている刑事の視点にでもなったような気持ちで…グイグイと物語に惹きこんでいく見事な演出と編集(テンポが非常に良い)。有名俳優さんたち一人一人は、あっとい間に出番を終えて消えていってしまうのですが…何故か皆、印象に残っている(明確な主役が不在なのに…出てくる脇役が全て主役になってしまうとは、こういうことだったんだなぁと納得する)。

WOWOWで見逃した人は、ぜひ映画館で観ましょう!これは本当にお薦めです…。公開規模も他のお正月映画に比べると少なそうですが…意外と“大穴”になるんじゃないでしょうか?


監督:大林宣彦 原作:宮部みゆき
出演:出演: 村田雄浩 寺島咲 岸部一徳 大和田伸也 久本雅美 宝生舞 松田美由紀 赤座美代子 風吹ジュン 山田辰夫 渡辺裕之 柄本明 渡辺えり子 菅井きん 小林聡美 古手川祐子 加瀬亮 厚木拓郎 左時枝 細山田隆人 ベンガル 伊藤歩 立川談志 南田洋子 石橋蓮司 麿赤兒 小林稔侍 宮崎将 宮崎あおい 永六輔 勝野洋 片岡鶴太郎 根岸季衣 峰岸徹 裕木奈江 中江有里 嶋田久作 柳沢慎吾 島崎和歌 など


「理由」公式サイト⇒http://www.riyuu.jp/







恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ (1989年)


男から見ると、正直、ハリウッド系のラブストーリーなんか“ケっ”って思っちゃう作品が多いのだが…、この作品は、面白かったし、かっこよかったし…野郎が見ても素直に楽しめたラブストーリーです。「恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ 」…、ちょうど12月3日に東北新社さんから、DVDが再発売されるようだ。自分が現在持っているDVDは、過去にカルチャ・パブリッシァーズ/ビームエンタティメント(現:ハピネットピクチャーズ)から発売されていたDVDなのだが…。

画面は4:3スタンダードサイズだし、音声は2chステレオだし…はっきりいって、最近の高画質・高音質DVDに比べるとクオリティのあまりよくないDVDソフトだったのだが…東北新社さんから新たに再発売されるDVDソフトは、音声を5.1chにリニューアルし、画面もビスタサイズのスクイーズ収録になっているので…かなり羨ましい。お金に余裕があれば、買いなおししたいななんて、思ってもいるのですが…。

兄弟で活躍するジャズピアニストの二人が、新しく女性ヴォーカルを迎えて成功を手にする!弟とその女性ヴォーカルが、いい感じになってしまうのだが…。まぁ、“恋のゆくえ”って邦題が付くくらいなので…ワンパターンなラブストーリーではあるが、ストーリー的には、良い意味で期待を裏切ってくれる(この辺は個人的な感想なので)。恋愛と兄弟の絆を、しっとりとした美しいジャズの音色で包んでくれる、けっこう粋な映画である。劇中演奏される、ジャズナンバーは、有名なものが多いので…ジャズに詳しくない人でも、どこかで聴いたことのある曲ばかりだと思います。

ベイカー・ボーイズの二人、ジェフ・ブリッジスとボー・ブリッジスは、実際の兄弟なので、兄弟役が実に自然でリアリティがある。今から15年前のミシェル・ファイファーは…まだまだお肌に皺もなく、とっても綺麗です!映画の中では、タフでクールな女性シンガーを演じていて、本当に魅力的です!クリスマスシーズンに最適な一本でしょう!メーカーさんも、その辺を意識して、12月にこのソフトを出してくるのだと思います。


監督:スティーブ・クローブス
出演:ジェフ・ブリッジス ミシェル・ファイファー ボー・ブリッジス


【DVDソフトの購入】
DVD 恋のゆくえ ファビラス・ベーカー・ボーイズ





DEAD LEAVES(2003年)


攻殻機動隊 」「イノセンス 」でお馴染み、プロダクション I.G が放つ、問題作アニメ映画、「DEAD LEAVES 」をご存知だろうか?アメコミクッチクな、独特な色使いの不思議なキャラクターたち…もしかしたら、“可愛らしい”なんて表現する人もいるかもしれない…ポップでキッチュなキャラクターたちが、実は…過激な下ネタを連発し、銃を撃ちまくり、大殺戮(笑)を繰り返す…とんでもないアニメーションなのです(PG-12指定)

顔に痣がある女PANDYと、何故か頭がTVの男RETROが…一般市民を巻き込みながら、警官隊と壮絶なカーチェイスを繰り広げているという、冒頭からかなりハイテンション。でも、あっけなく捕まって刑務所送りにされてしまうのだが…そこからがまた凄かった。脱出不可能といわれる難攻不落の月面刑務所「DEAD LEAVES」で二人を待ち受けているのは…。

上映時間は52分…でも密度はかなり濃い52分です。本当に、休む暇なく…キャラクターがばんばん動きます…。ジョン・ウー、ウォシャウスキーのような迫力のガンアクションも満載!一歩間違えば、騒音になりそうなクラブ風のミュージックが更に追い討ちをかけて、頭がクラクラします。そして、小学生レベルの、ストレートな下ネタが、バカバカしすぎて涙がちょちょ切れるくらい、大笑いしてしまう。

ある意味、タランティーノの「キル・ビル 」のアニメパート(これもププロダクション I.Gが制作)以上の衝撃です。監督は、(エヴァンゲリオンの)GAINAX に所属している人気アニメーター今石洋之。庵野秀明の実写版キューティーハニー でアニメパートやハニメーションを手がけ、それに続くOVA「Re:キューティーハニー 」の第1巻を監督した人です。テンションの高さ、テンポの速さ…作品のリズムが、「DEAD LEAVES」と「Re:キューティーハニー」の1巻に共通するものがあり…大好きな監督です。けっこう前のアニメ「彼氏彼女の事情 」で今石さんが絵コンテや脚本を担当したエピソードなんかを改めて見直すと、既に今の作風が出来上がってる感じがして面白い。

迫力のDTS音声で収録されているので…ホームシアターを楽しんでいる方は、近所迷惑もお構いなしに、ぜひスピーカーがぶっ壊れるくらいの大音量で、見て欲しい映画です。でも、あまり音を大きくしすぎると…セリフが外まで聴こえて、ちょっと恥ずかしいかも。

レンタル版には、本編とオーディオコメンタリー(監督や原作者が居酒屋で酒を飲みながら、本編以上に下ネタで大騒ぎ)しかついていないのだが…セル版DVDに付いていた特典ディスクに収録されている舞台挨拶やインタビュー映像で、あの山口勝平 (犬夜叉だ!)や、水谷優子 (こっちはBJのピノコだ!)という人気声優までが…下品な下ネタを連呼していて…かなりビックリ!?今でも現役で主役クラスをばんばんこなすのに、勝平さん…そんなことまで言っちゃっていいの?これ、DVDだよ…孫の世代まで残っちゃうかもしれないよと…聴いてるこっちが心配になっちゃうほどの危険なトークが炸裂している。


監督:今石洋之
出演:山口勝平 本田貴子 水谷優子 飛田展男 高木渉 岩田光央 梁田清之


【DVDソフトの購入】
DVD DEAD LEAVES 通常版
DVD DEAD LEAVES 豪華版





プラネテス(2003~2004年)

2004年11月26日発売・レンタル開始…TVアニメ「プラネテス 」の第8巻をDVDで鑑賞した。前巻あたりから…話が大分シリアスになってきたのだが、今回収録の21~23話もかなり、重いテーマ・内容になっている。また、12月発売の第9巻で最終回を迎えるということで…物凄くいいところで、23話が終ってしまう。これは、あと1ヶ月我慢するのが辛く…早く続きが見たいところだ。

原作は人気コミックだが…自分は、アニメを見るまで知らなかった。ただ、サンライズの新作アニメ(SFだったのが一番の原因だけど)ってことだけで、DVDを買い始めてしまったのだが…もうDVDの1巻を見たら、ヤミツキになってしまった。とにかく面白いアニメだ。

基本的には1話完結のエピソード中心で…宇宙開発で出た、ゴミを掃除するデブリ屋とやばれる掃除屋さんのお話。宇宙では、ネジ一本漂ってるだけでもほっぽておくと、そこから大惨事に繋がる恐れがあるので、それを未然に防ぐために、日夜宇宙の掃除を続けている、いわば縁の下の力持ち的な存在なわけです。そんな人たちも、会社という組織に雇われている身分であり、どちらかというとやっかいもの扱いされている部署でもある。

物語はSFで、モビルルスーツ(ロボット)が出てこないガンダムのような世界のお話なんだけど…描いているものが、人間臭くて、ドラマとして非常に共感できる部分がある。誇をもって仕事をする現場の人間と、計算でしか物が語れないエリート社員との確執。恋愛だったり、仕事だったり、とにかく人間関係が不器用な登場人物が…成功と失敗を繰り返しながら、成長していく様。それを、時には笑い、時にはアクション、時には涙が出るほどの感動を交えて見せてくれるのだ。そのまま、現代の等身大のサラリーマンやOLに置き換えられるような、普通の人たちが、宇宙で活躍する様が、物凄く爽快です。

前半戦は、どちらかというと三枚目キャラだった主人公のハチマキ。物語がシリアスになり、彼の行動や言動に…思わず男泣きしてしまいました。会社も女も、仲間も捨て…自分の夢にかける主人公のハチマキ…メチャクチャかっこいい。先月出た7巻に収録されていた、第18話「デブリ課、最期の日」は、いつもお笑い担当(?)のオヤジキャラ二人(課長&ラビィちゃん)が、忌野清志郎の“昼間のパパは光ってる♪”って歌を思い出しちゃうくらい、かっこいい活躍を見せてくれて、ここでもちょっと目頭熱くなりました。

1話完結ではあるのだが…ところどころ、後半のエピソードに繋がっている細かい伏線も張られている。見ている時は気が付かないのだが、後で振り返ってみると、あの時の…あの話なのか、なんてことがよくある。そういう時は、あわてて前のDVDを見直したりするのだ(笑)物語が佳境に入ると、繋がりのあるエピソードも増えていくのだが…自分も最後まで見ていないので、ラストがどうなっていくか物凄く楽しみだ。

最初は、NHKのBS放送で放送された作品だが、現在はNHKの地上派放送でも放送されている。DVDもレンタルされているので…ぜひ見て欲しい作品。“萌え萌え”な作品が多い中…本当に、大人でも楽しめるアニメーション、物語も極太なアニメーション…そしてアニメファンも納得の美麗な作画が楽しめるアニメーションが「プラネテス」です。SF苦手な人でも、楽しめるし…SF好きな人は描写が物凄くリアルなので、もっと楽しめると思います。劇場アニメにも負けない力作だと思います!

そういえば、公式サイトのネットラジオ(無料配信)“ネットでプラネテス”が更新された。こちらは声優さんやスタッフが作品の暴露話を語るという…DVDについてるオーディオコメンタリーと似た企画なのだが…本家のオーディオコメンタリーが、7、8巻とお休み中(最終巻で復活!)なので…代わりに、ネットの方で我慢しましょう!





eiko[エイコ](2003年)


2004年11月25日発売の新作DVD「eiko【エイコ】 」を鑑賞した。けっこう邦画好きの人はファンが多い…麻生久美子の主演映画!まぁ、自分もその一人で、久美子ちゃんの映画は何気にDVDを買いまくっている。

キャッチセールスにはひっかかる、詐欺にはひっかかる、男には騙される、おまけに借金だらけと不幸のどん底のお人好し娘。更に勤めていた会社まで倒産!?お金も住むところもなくなった彼女が…一人のボケ老人と出会い、そのボケ老人の家に一緒に住み始める。でも、このボケ老人、何かが変?秘密がありそうだが…。こんなお人好しの彼女に幸せな日々は本当にやってくるのだろうか?

ここまでお人好しな人はいないだろなんて、思いながら映画を見ていたのだが…実際に渋谷、原宿あたりを歩いてるときに、キャッチセールスやら、宗教の勧誘やら、怪しい募金活動に捕まってる女の子(時には男も)をたくさん、見かけたのを思い出す。おまけに、オレオレ詐欺の横行や、アダルトサイトのインチキ請求事件…毛皮とか宝石を貢がされちゃう独身男性なんてワイドショーでよく取り上げられる事件のことを考えると、あながち、この映画の主人公も、嘘じゃないなぁと…妙にリアリティを感じてくる。

自分でも、騙されやすい人間だと感じながらも…、「もう余計な買い物をしないで済みますように」と、ん十万のローンを組まされ、キャッチセールスで買わされた、パワーストーン(幸せになる宝石ってやつ)に、ノホホ~んとした表情でお願いしちゃうところなんて…怖すぎて、ちょっと笑えなかったくらい。“指輪買ってる時点で、駄目だろうよ!?”こういう人、ぜったいに現実にいそうだわ。そんな彼女をカメラがパーンしながら、部屋に置かれた健康器具やら着物を映し出す。うわぁ、これこそワイドショーでよく見かける悪徳商法で売りつけられる品々の代名詞。その後、何度も映画の中で、インチキ商品を掴まされていくのは言うまでもありません。

この映画を見て、ドキっとした人は要注意。笑って見れれば、いいですよね。映画のほうは、次から次へと怪しい男がいっぱい出てきて飽きません。ただ、騙された男に復讐をするところがなんだか…このお人好しキャラからかけ離れすぎてて嫌でした。もっと可愛らしい復讐にしておけばよかったのに…意地悪になった“アメリ”のような印象だ。

麻生久美子といえば、何故か…出ている映画で、死んじゃう役(または最初から死んでる役)が多い。今回は大丈夫…騙されまくるけど、死んだりしませんから(笑)お兄さん、お父さん、おじーちゃん…全国の久美子ちゃんファンの皆さん、よろこんでください!今回は入浴シーンがありますよ!(って、デビュー間もない頃「カンゾー先生」では、ヌード披露してたけどさ)。

他にも寝顔が可愛かったり、お風呂上りに化粧水つけてるシーンとか、けっこう好きです。ゴムで留めていた髪を、下ろしながら振り返るところなんても、ちょっとグっときますね(よく明石家さんまが、こういう女性の仕種が好きだっていってるのがよくわかりました)。日常的な女性の可愛さも、よく表現されていて…ますます久美子ちゃんのファンになりました!中野裕之監督(サムライフィクション 赤影などの監督)以外にも、麻生久美子を可愛く撮れる映画監督がようやく出てきたな~。


監督:加門幾生
出演:麻生久美子 沢田研二  阿部サダヲ 玉山鉄二 袴田吉彦 宇梶剛士 南果歩 大杉漣 田口浩正


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DVD eiko[エイコ]




avec mon mari アベック モン マリ(1998年)

昨日は奇妙な三角関係に発展してしまうイギリスのラブコメディ「いつまでも二人で」という作品をここで紹介した のですが…更に凄い、奇妙で複雑な四角関係になってしまう夫婦ラブコメを紹介します。今年の東京国際映画祭でも上映され、まもなく公開が始まる「約三十の嘘 」という作品の大谷健太郎監督の、長編デビュー作「avec mon mari アベック モン マリ」です。

バリバリに仕事をこなすキャリアウーマンの妻(板谷由夏)と、いかに幸薄そうなフリーカメラマンの夫(小林宏史)…些細ないざこざが原因で夫は家を追い出されてしまう。仕方がなく、女友達(辻香織里)の所へ転がり込むのだが、今度はその女友達との浮気を疑われ更に状況が悪化する。で、その女友達の愛人(?)が実は、妻の仕事仲間ということが発覚するから…関係がもっともっとおかしくなっていく。

二組のカップル…女性陣は、二人とも行動的でエネルギッシュだが…男性陣は、逆になんだか頼りがない。見方を変えると、がさつな女と、家庭的で繊細な男ともとれるんですけど(笑)まるっきり家事ができない嫁と、炊事・洗濯・掃除…更には裁縫までこなせる旦那というような描かれ方をしている。おまけに嫉妬深くて、わがままな女。

この映画を見て思うのは、最近の男(自分も含め)って、やっぱり軟弱だよねってことか…。でも、その軟弱さの中にもいいところがあるでしょ?って強すぎる女性に分かって欲しいという、男からの願望があらわれてるのかもしれない。

夫婦の話ですが、劇中で飛び交うセリフは…結婚していないカップルにだって経験がありそうな、妙にリアリティのある内容だ。“喧嘩するほど仲が良い”“喧嘩両成敗”“終りよければ全てよし”…こんな言葉がよく似合う映画でした。ぜひカップルでご鑑賞ください…自分は野郎一人で寂しく鑑賞しましたが(笑)昔の恋愛経験を思い出すと、喧嘩の後は…映画みたいに上手くいかなかったなぁと(^^ゞ

DVDには、監督、板谷由夏、大杉漣、映画プロデューサーのオーディオコメンタリーを収録。これが、けっこう面白い。また、大谷監督が91年に8mmで撮影した短編映画「私と、他人になった彼は」(51分)という作品が同時収録されている。

そうそう…この監督の劇場2作目で「とらばいゆ 」もお薦めです!同じく、四角関係を描いてますが…今度は姉夫婦に妹カップル(恋人)の四角関係。姉妹が女流棋士という設定で、もっとエンターティメント色が強くなった、素晴らしいラブストーリーになってます!


監督:大谷健太郎
出演:小林宏史 板谷由夏 辻香緒里 大杉漣 寺島まゆみ


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DVD avec mon mari アベック モン マリ
勝手に映画紹介!?-avec mon mari 



エスパイ(1974年)

いよいよ最後のゴジラ映画「ゴジラFINALWARS 」の公開が迫っていますが…最近、レンタルDVDで特撮映画を中心に、懐かしの東宝作品を借りまくっては見ています。今までDVDでレンタルされていなかった「ゴジラ」作品や、他の東宝特撮も続々とレンタル解禁になり…近所のレンタルショップに入荷しはじめたので、片っ端から借りているのですが…。

そんな中でも、けっこうお薦めなのが「エスパイ 」です!小松左京原作のSFアクションで、簡単に言うと、“ミュータントじゃないX-メンみたいな”感じです。国際平和を守るために、いい超能力者と悪い超能力者が対決するという。加山雄三を筆頭に、藤岡弘、由美かおる、草刈正雄、睦五郎という国際秘密機構“エスパイ”のメンバーが…某国の首相暗殺を企む犯罪者を追って世界中を駆け巡ります。
悪い超能力者の親分を演じているのが、宗教団体の教祖みたいな風貌の若山富三郎先生です!見るからに悪そう。

冒頭から豪華に海外ロケを行っていたりして、スケールの大きさを実感します。“ゴルゴ13”のような要人暗殺シーンを皮切りに、“スカーフェイス”ばりに派手な銃撃戦も見ごたえを感じるし、クライマックスではお得意の特撮技術を駆使して、迫力のスペクタクルシーンも演出しています(超能力シーンはちょっと笑っちゃうけど…時代的なものを考慮しましょう)。最終決戦で敵ボスの屋敷に乗り込むと…ディズニーランド、USJのアトラクションのごとく仕掛けられた罠が、次々にエスパイのメンバーに襲い掛かります!とにかく面白さが凝縮した94分。これぞエンターティメントです。

一番の見所は、由美かおるが、催眠術か何かを掛けられて、パンツ一丁の黒人男性と下着姿でセクシーダンスを踊るシーン。とにかく、動きも表情もいやらしい。平尾昌晃の音楽が更に妖艶さを演出する。そんな水戸黄門の入浴シーンでは味わえない、生ツバごっくんなシーンですが…その後に更に衝撃的な事件が…。なんと、黒人の手が由美かおるの下着にかかり、一気にずり下ろすのです!ぷるんっと揺れる、由美かおるの綺麗なパイオツ(言葉使いが古いぞー)が丸見え!?続く、アップの口元のショット…唇と舌の動きがなんともエロティック!?思わずDVDを一時停止したくなる名シーン…しかも後に回想シーンでもう一度オッパイ、ボヨ~んのシーンは使ってましたからね(笑)作り手側も、イチオシなんでしょうね。

DVDには、小松左京先生や由美かおるのオーディオコメンタリーが付いています。相変わらず元気な小松先生は絶好調…当時の裏話をいっぱい聴けます。上で紹介した、“オッパイ”のシーンも…本人の目の前で、小松先生大絶賛しています。


監督:福田 純 特技監督:中野昭慶 原作:小松左京
出演:藤岡弘 由美かおる 草刈正雄 加山雄三 若山富三郎


【DVDソフト購入】
DVD エスパイ