ワンダー 君は太陽(2017年) | 勝手に映画紹介!?

ワンダー 君は太陽(2017年)

ワンダー 君は太陽

【鑑賞日:2018年5月29日】

先週、TOHOシネマズ小田原で開催された分の試写会も当たってたんだけど、その後、地元でやる試写会にも当選したので…小田原の方をスッポカし(車を使うからガソリン代もったいないじゃん)、ということで「ワンダー 君は太陽」をシネプレックスで一足お先に見てきました。生まれつき顔に障害を持って生まれた少年が…両親に押されて一歩踏み出し、普通の子供たちと同じように、普通の学校に、普通に通い出したが…色々な問題に直面し、それを乗り越えていくという感動系ストーリー。主人公の両親役にジュリア・ロバーチとオーウェン・ウィルソン。

10歳のオギーは、先天性の疾患があり、人とは違う顔で生まれてきた。今までは自宅学習で母親のイザベルに勉強を教わっていたのだが…イザベルの強い希望もあり、学校に通わせることになった。夏休みの間に、校長先生と面談、そのまま新学期からクラスメイトになるジャック、ジュリアン、シャーロットを紹介され、一緒に校内を見て回る。学校から戻ったオギーは元気がなく、両親や姉も心配するが…“僕は行きたい”とオギーが答える。そしていよいよ登校初日を迎えたオギー…最初は戸惑いもあったが、話しかけてきたジャックと次第に仲良くなり…。

“開始10分からラストまで涙が止まらない!”とか“120分、ずっと泣けます”という煽情的な言葉と共に、モデルのように綺麗なお姉さんたちが号泣している、“毎度お馴染みの予告映像”があるんだけど…さすがに煽りすぎだろう!いや、決して…一部で言われてるような“感動ポルノ”って印象も少なく、いい映画だと思うし、場面によってはオイラもウルっとさせられたりもしたんだけど、正直なところ、開始10分で泣き始めた人はいなかったし、それどころか、上映中、特にすすり泣きは聴こえなかったぞ(あくまでオイラの参加した試写会場の話だけどさ)。

よっぽど昨年見た「8年越しの花嫁 奇跡の実話」の方が、周りのオバチャンたちは泣いとった…っていうか、明らかに日本の配給会社あたりは“顔に障害のある少年”オギーくん推しの難病ものとして売りたいようだが…実際は、子供たちみんなが平等に悩みを抱えているという青春物語でして、ちょっとしたすれ違いがきっかけで、イジメなどに繋がっていってしまうという話なんですよ。だから“顔の醜い少年が虐げられても頑張ってるでしょ”っていうイメージを植え付けるような宣伝方法こそ、障害というものを色眼鏡で見ているような気がしてならない。

作品そのものよりも、宣伝の仕方に疑問を感じる。そうなんです、テーマは“平等”なんです。ちょうど…自分のマイノリティな性癖を告白した著名人が、“カミングアウトなんて言葉がなくなれば”なんて発言をしてましたが、そういう気持ちにも通じる作品ですよね。映画的には、ジュリア・ロバーツ演じる妻の尻に敷かれているヘタレな夫オーウェン・ウィルソンの情ない感じとかは見ていて微笑ましかったです。でも、主人公のオギーにとっては偉大なパパだと…そういう関係性って素敵だなと、独身中年男的には、いつかはああいうパパになりたいなと(笑)

あと、“スター・ウォーズ”ネタが意外とたくさん入ってたのには驚きであり、けっこう狙ってる感あり。母娘の会話の中に出てくる“パトリック・スウェイジ”にも思わずニヤリ。一点だけ、気になったのは…クライマックス近くに出てくる“喧嘩シーン”…ある人物が後頭部を思いっきりガツンと石にぶつけてまして、その瞬間、絶対に“予想以上に悲しい展開が待ってるに違いない”と思ったんだけど…特に、何かが起きるわけでもなく、スルー。いや、頭は大事だぞ。スルーなら、スルーでいいけど、やっぱりあそこは、診察なり、治療なりを受けるシーンを入れるべきだった。

散々、泣ける映画って煽ってたから、絶対にそういう展開だと思ってたのに…“変に期待させるんじゃねぇ”とも思った(笑)校長先生が「クリミナル・マインド FBI行動分析課」のギデオン(マンディ・パティンキン)だった…さすがにプロファイリングはしないけど(するわけねーだろ!)、鋭い観察眼で生徒の気持ちをしっかり受け止めるところは、ギデオンを彷彿とさせるなぁって思って、ちょっと懐かしかった(見た目の風貌はどちらかというと「HOMELAND」の方に近い)。ロリの趣味はまったくないが、オギーの親友になる少女サマーちゃんも、クールで印象に残った。


監督:スティーヴン・チョボスキー
出演:ジュリア・ロバーツ オーウェン・ウィルソン ジェイコブ・トレンブレイ イザベラ・ヴィドヴィッチ


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