ひるね姫 ~知らないワタシの物語~(2017年) | 勝手に映画紹介!?

ひるね姫 ~知らないワタシの物語~(2017年)

ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜

【鑑賞日:2017年3月23日】

今日の夕方は、車検でディーラーに預けてある車を引き取りに行かなきゃならないので…とりあえず、連絡待ちで、午後からは自宅待機なんですけど…午前中はわりかし暇だったので、先週から始まっていた「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」を見てきた。明日の1000円ポッキリ会員デーまで待つのも手だったんだけど、明日以降は上映スケジュールの変更もあったし、もう一つ見たい「パッセンジャー」なんかも始まっちゃうし…だから貯まっていたポイント利用で無料鑑賞してきちゃいました。「攻殻機動隊 S.A.C.」の神山健治監督の最新長編アニメです。

岡山県倉敷市…自動車の修理工場を営む不愛想な父親モモタローと暮らしている高校生の森川ココネ。母親は小さい時に亡くなっていて、ほとんど記憶にない。そんなココネは、気がつくと居眠りばかりしてしまう毎日で、このところ、同じ内容の不思議な夢を見ていた。東京オリンピックの開催が目前に迫っていたある日、モモタローが突然、警察に捕まってしまい、途方に暮れるココネ。そんな時、母親の墓前でモモタローが隠したらしいタブレットを発見!その直後、タブレットを狙う怪しげな男たちが現れ、ココネは、幼馴染の大学生モリオに協力を求める!

一時期は、ポスト押井守かななんて思われていた神山監督だけあり、今回も現実と虚構が混在する不思議な物語構成で、らしいっちゃ、らしい。ついでに、「攻殻機動隊」の世界観をさらに現実に近づけたような近未来が舞台である。冒頭は、奇妙なファンタジー世界から幕開けするが、事前情報などから“主人公の夢”だろうと推測するのは簡単だった。作りこまれたファンタジー世界のアイデアは設定、ビジュアルともに奇抜で面白いんだけど…なかなか本筋(現実世界の話)が始まらないのが、けっこうもどかしくもあったり。いつまで続くんだ、この夢はと…。

案の定、主人公が目を覚まし…現実の物語が始まるんだけど、その後も、居眠りをするたびに、ファンタジーに話がスイッチ。やがて、そのファンタジーと、現実が連動しているのではないかという展開にもなる。主人公は“現実でも魔法が使える”なんてはしゃいでるが…いったいどういうことなのか?そのあたりの仕掛けが、後半に向かって、徐々に明かされていく。ダラダラと関係ない話が退屈だなと思っていたら、ちゃんと全体のフリになっていたという点では“早合点”してゴメンナサイだが、だからといって手放しで面白いわけではなかったのも事実だ。

アニメ的な派手な見せ場を演出するため、“ファンタジー”な話が独り歩きしすぎかな?居眠りしながら夢を見ている間に、実際に現実ではどんなことが起きていたのか?そのあたりをもう少しバランスよく、丁寧にわかりやすく描いてほしかった。「君の名は。」なんかでもそうだったけど、後半で種明かしをしなきゃいけない都合上…どうしても、同時進行している片側の話がおろそかになってしまい、天邪鬼な意見だけど、そっちも見たい、知りたいという。制作プロダクションはシグナル・エムディという新参スタジオだが、実際はIGグループの一員だ。

メインスタッフは、神山監督以下、今までのIG作品で名前を見ていたベテランのアニメーター、クリエイターさんたちばかりが参加。ちょっとした脇役の細かいキャラの表情まで豊かで、特にオジサンキャラの描きこみがやたらとうまいのもIGカラー(笑)原画担当の西尾鉄也さんあたりが、頑張ってるのではないかと想像してしまう。現実に近い世界観に、SF描写を落とし込む近未来ビジュアルなんかも慣れたもので、スタッフの中に、同じような近未来設定が印象的だった「電脳コイル」の監督、磯光雄さんの名前なんかも見つけて、ちょっと嬉しくなった。

作画のクオリティなども一定基準に達しており、アニメ映画としての面目は充分に保っていると思うが…物語の全体的なバランスは疑問に残る部分も。アニメでは多重構造というのもそんなに目新しいアイデアでもないし、普通に、東京オリンピックが開催される3年後の近未来を舞台に、女子高生がトラブルに巻き込まれ、PCやタブレットを駆使して対処していくようなサスペンスっぽい話でも良かったんじゃないかなって思うのはオイラだけか?神山監督って、アニメ演出家としては優秀なんだと思うけど、映画よりも…TVシリーズ向きなんじゃないかなって感じ。


監督:神山健治
出演:高畑充希 満島真之介 古田新太 釘宮理恵 高木渉 前野朋哉 清水理沙 高橋英樹 江口洋介


【主題歌が話題になってるらしい】
デイ・ドリーム・ビリーバー







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