スタンリー・キューブリック監督(1928~1999)
芸術性の高い革新的な映画を生み出し続けた伝説の巨匠です。
キューブリック氏はハリウッドとちょっと対立関係にあったこともあり
ほとんど賞は受賞していないのですが
調べてみると当時も熱狂的なファンがいて、
映画内の服装をマネする若者など影響を受けた人が続出していたことを知りました。
「シャイニング」がいちばん有名かな?と思うのですが
この前見かけたとある方が本作をおススメしていたので
キューブリック作品1つ目はこちらに。
1972年 いまから50年前の映画です。←重要。今の価値観で見ちゃダメ笑
『暴力やセックスなど、欲望の限りを尽くす荒廃した自由放任と、管理された全体主義社会とのジレンマを描いた、サタイア(風刺)的作品。』(Wikipedia)
主人公はアレックスという15歳の少年
不良集団に属していて
強盗、強姦、暴行、殺人とあらゆる犯罪を犯しまくっている人物です。
いろいろあって遂に逮捕されるのですが、なんとか刑務所から早く出たい一心で、国が始めた新更生プログラムの被験者に立候補します。
そのプログラムというのが2週間のプログラム内で
瞬きが出来ない状態(強制的に)で上記に並んだ犯罪の映像を見る、というもの。
その際に嘔吐や苦痛を伴う薬を与えられており、犯罪行為と苦痛が潜在的にリンクするよう洗脳をかけられていきます。
2週間後、何かを起こそうとするたびに頭痛と吐き気に苛まれるようになったアレックスは無事に出所するのですが、待ち受けていたのはつらい現実でした。。。
そしてその結末とは!?
というストーリー
最初のシーンから、現代美術てきな表現が施されていておぉ~となりましたが
内容はちょっと大人すぎる。やばい。暴力が暴力をなんかこう。。。
人間って根本そんなイイ子じゃないじゃん!ね?みたいな
尖りに尖っている。(笑)
現代でこれは作れないだろうなレベルで、これはこれで面白かった。
でもそれ以上に
アレックスはあんまり理解していなそうだったけれど
結局のところ全てを政府に利用されてしまった、という社会風刺の表現がすごーく好きでした。
原作は同名小説なのですが、結末は平和的なものだったのにも関わらず、最終章が誤って削除された状態で発売され、監督はそれを採用して作ったらしい。
作者ご本人は意図しない結末にお怒りだった模様です。
でも個人的にはこの結末じゃないと風刺が弱い。これが好き!
主人公を演じたスタンリー・キューブリックは御年80歳
まだまだ俳優を続けていらっしゃいます。
あと、スター・ウォーズシリーズのダースベイダーを演じていたデヴィッドも出てきます。
ひとにおススメは表立っては出来ませんが
衝撃的な内容と、芸術的センスの光る監督の表現方法
歴史に刻まれた名作のひとつとして、興味深い経験でした。