非常に興味深い作品でした。
「コレクティブ 国家の嘘」
2015年、ブタペストのライブハウス「コレクティブ」で起きた火災。
出入口がひとつしかなく、死者27人・負傷者180人という大参事だったのですが、その後の数か月で更に37人が亡くなるという異常事態が起きます。
原因は、ルーマニア国内の劣悪な医療環境にありました。
それほど酷くない病状だった人たちが次々と亡くなっているという現実。
大規模火災を発端に、その環境が集団によって暴かれ、問題になります。
しかもそのまま芋づる式に出てくる癒着と隠ぺいの数々。。
暴きながらもあまりの酷さに頭を抱えるメディア陣を追い続けるカメラ。
本作は、この一連の事件を政治家のすぐ傍で追い続けた長編ドキュメンタリー。
アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞にもルーマニア映画で初めてノミネートされています。2020年に本国で公開された比較的あたらしい映画です。
火災現場内の実際の映像や、劣悪な医療環境の内部映像などの生々しさもさることながら、腐りきっている政治の闇を目の当たりにした衝撃たるや!
めっちゃズルいの!
ルーマニアは歴史の関係もあり、あまり豊かな国ではないことは知っていましたが、ヨーロッパ内で遅れをとっている事への劣等感だったり、そのことに対する国民の見栄と不満だったりを初めて知りました。
他国じゃ撮れないだろうなぁと思うような、逃げも隠れもさせない感じ
最後の報われない絶望も含めてリアルで、けっこう面白かった。