原題は「Les perfums」(香水)

2021年に日本にも上陸しています。

1時間40分と、ホッと一息つくにはちょうどいい長さ。

 

Diorが撮影協力

Hermèsの専属調香師が監修

作品への本気度が伺えます。こういうのはその道のプロも見ますからねウインク

 

主人公は調香師ヴァルベルグさん。

匂いにしか興味がなく、ふさぎこみがちで不愛想な彼女。

天才的な嗅覚を持ち数々の有名ブランドと仕事をしていたのですが、精神の不調により嗅覚を幾度も失います。

 

そして雇われた運転手、ギヨーム。

決して悪い人ではないものの、不器用がゆえに自分への自信がない。

 

そんな2人が交わって生まれる新しいハーモニーが描かれている作品でした。

心があったまる平和な映画であり

私の思うフランス映画らしさを堪能できた。

 

特にフランスは人間を描く時に、

人間の弱さよりも気難しさや強がりな部分をより前面におく事が多い気がします。

人と人との距離に一定のラインを設け、

そのラインが人を美しく気品を保つ秘訣になっているのだ

という事に気づかされるような、そんな作品が多い。

 

本作もまさに。

 

2人とも、抱えているものはそんなに小さくない。

でも、お互い全く憐れまないし、自分を可哀想という風には見せない。

 

ただそこにいて、一生懸命生きる事。

自分らしく自分として生きるスペースをお互い決して邪魔しないし

それでいて互いに影響しあう事で得る良いハーモニーをちゃんと感じ取っている。

 

人間そうであるべきだよねって、、こういう映画を時々みて思い出します。

 

結局どう生きるかは自分が決めていて、

周りがどうであれ自分が生きたいように生きるべきで。

 

人間、不運に見舞われた時って何かのせいにしたくなっちゃうけれど

本当のところ、変わらなきゃいけないのは自分だってことを何処かで分かってる必要がある。

 

そのときに、周りの環境による自分への良い影響を感じ取って、

つかみ取らなきゃ、ダメなんです。

この人だ、この環境だって思って掴まなきゃ。そうしなきゃ変われない。

 

本作はフランスの興行収入で1位を記録びっくりマーク

コロナ渦で思うように映画館上映が進まなかったようですが、最初に公開した映画祭では外まで人が溢れるほどの注目度だったらしい。

 

期待通りのジャンルで、期待以上の清廉さを観ました。

月曜日、シャキッと生きます。