2020年に公開された映画

主演は小栗旬さんと星野源さん。

1980年代の実際の未解決事件「グリコ森永事件」を題材にした、同名小説を原作としています。


解いていく部分はもちろん創作ですが、事件そのものは出来るだけ忠実に描かれているそうで、物語の主軸となる「子供の声が脅迫電話に使われた」のも実際にあったこと。さらに、声紋鑑定で3つの声のうちの2つは姉弟である可能性が高いという結果も出ており、これもまたまんまです。


事件は全て時効を迎えており、完全犯罪となっています。今もどこかで、声を使われた子供は生きているのでしょうかね…


実際の話をこのように使っているため、普通の映画と違って派手な演出はありません。でもそのぶん、かなりリアルな世界であるように思えました。それがこの映画の持つ特長のように受け取りましたので、欠点だとは思いませんでした。


がしかし、エンタメ要素を求めて観るには、いささか終盤に入るまでが重たく、劇的な展開もない。


でも本当の犯人はいまだに罪を償っておらず、人生が変わってしまった方が今現在も苦しんでいる可能性がある今の状況で、事件を完全にエンタメ化する事は問題でしょうしね。それは仕方ないのかなと。


ヒューマン寄りの映画だと思って観る事をおすすめします。自分の見えていない、想像の及ばない範疇の世界があることを、忘れてはならないなと思いました。