先日、NETFLIXでUSA for AFRICAのレコーディング風景のドキュメンタリーである「ポップスが最高に輝いた夜」を観て、久々にライブ・エイドのDVDを見返してみた。
リアルタイムでテレビ中継(ひどかった!!!)を見た20代、DVDが発売されて即購入した2004年(40代)、そして、還暦すぎた60代の現在。
40年以上にわたって繰り返し見続けているが、感想は変わらない。
“正真正銘のオールスターでラストが感動的だったイギリス”と“化石ミュージシャンと暑苦しいヘビメタ、スーパースター不在で最後が醜悪だったアメリカ”
きっかけはバンド・エイド「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」
映画や音楽に夢中だった学生時代。1980年代前半はイギリスの音楽に夢中だった。
インタネットもない時代、お気に入りのテレビ番組はピーター・バラカンがMCをしていた「ポッパーズMTV」だった。
いわゆるメジャーなメガヒットではなく、イギリスを中心にしたマイナーで個性的な音楽を紹介していた。
ある日、一本のヴィデオが流されて、その豪華さに目を見張った。バンド・エイドという絆創膏みたいなバンド名だったが、エチオピアの飢餓を救うためのチャリティ・レコードで参加者がスティング(ポリス)、サイモン・ル・ボン(デュラン・デュラン)、ボーイ・ジョージ(カルチャー・クラブ)、ジョージ・マイケル(ワム)、ボーノ(U2)、など当時の人気者が集結していて、曲もなかなか良かった。
アメリカにも広がって・・USA for AFRICA「ウィ・アー・ザ・ワールド」
バンド・エイドの成功を受けてアメリカでも同様のチャリティ・ソングのレコーディングが行われた。
派手好きなアメリカの音楽業界はさらにスケールアップして、参加メンバーは、マイケル・ジャクソン、シンディ・ローパー、スティービー・ワンダー、ブルース・スプリングスティーン、ビリー・ジョエル、ライオネル・リッチー、らの人気者に大御所レイ・チャールズ、ボブ・ディラン、ポール・サイモンと超豪華。
曲の出来の方は今一つで、特に歌詞がよくなかったと思う。
そしてライブエイドの企画発表
その後、チャリティの輪が世界中に広がりイギリスとアメリカの2か所でバンド・エイドとUSA for AFRICAのメンバーを中心にオールスターのライブが開催され、日本ではフジテレビが放送することになり、否が応でも期待は盛り上がった。
当時、いろいろなミュージシャンの参加が予想されていたが、ライブエイドのDVDの解説書に当時の公演前のポスターの縮小版が入っていました。
ポスターにはイギリスとアメリカのビッグスターの名前がずらりと並んでます。
そして当日(テレビ中継の記憶はあいまいなのでリアルタイムの感想ではない部分もあります)
イギリスの出演者は壮観だった。バンド・エイドでヴォーカルを歌ったアーテストのうちアメリカ側で参加予定だったデュラン・デュランとボーイ・ジョージを除く全員と、レコーディングは参加しなかったデヴィッド・ボウイ、エルトン・ジョン、クィーンなどのスーパースターなども参加、そしてポスターには名前は無かったがトリでポール・マッカートニーも登場してまさにオールスター!
フィナーレでほぼ全員が登場し、マイクを譲り合い、ビッグスターでもコーラスに徹している姿が感動的だった。
いま、思えば、ここで終わればよかったのに・・・。
アメリカ側もわくわくして観ていたが、ポスターになまえのあったボーイ・ジョージ、ビリー・ジョエル、スティービー・ワンダー、ヒューイ・ルイス、ポール・サイモン、ティアーズ・フォー・フィアーズは登場せず。
化石のような過去の遺物、暑苦しいヘビメタ、スーパーでないスターで埋め尽くされたライブにはがっかりだった。予定外の出演で盛り上がったのはビーチ・ボーイズとマドンナぐらい。
デュラン・デュランも、プリテンダーズも、シンプルマインズも、ミック・ジャガーも、エリック・クラプトンもイギリス出身で、ブライアン・アダムスもカナダのアーティスト、純粋なアメリカのスーパースターはマドンナとホール&オーツ、ティナ・ターナーぐらいではないのだろうか?
そして、あのフィナーレのマイクの奪い合いの醜悪さ。
テレビ中継
ライブの合間に世界中の有名人からのコメントがあって、長嶋茂雄とソニーの盛田会長が出ていたような記憶があるのだが・・・。
司会は全くポップスに詳しくない逸見政孝と、フォークの南こうせつで、トンチンカンな発言が多く、日本人アーティストのパフォーマンスで現地の海外スターのライブが観れない、CMが入るなどひどい中継だった。
しつこく話題にしていたジョン・レノンを除くメンバーによるビートルズ再結成もなかったが、放送してくれただけでもましか?
1985年 カラー589分
【鑑賞方法】DVD (字幕)
【原題・英題】LIVE AID
【発売会社】 ワーナーミュージック・ジャパン