“お笑い”の部分が不発なのが残念
★★★☆☆
「座頭市」以来の北野武監督の時代劇。
「座頭市」は有名な勝新の映画のリメイクだったが、今回は北野武のオリジナル。
＜ストーリー＞
織田信長（加瀬亮）は天下統一を掲げ、毛利軍、武田軍、上杉軍、京都の寺社勢力と激しい戦いを続けていた。その最中、信長の家臣・荒木村重（遠藤憲一）が反乱を起こし、姿を消す。信長は自身の跡目相続を餌に、羽柴秀吉（ビートたけし）、明智光秀（西島秀俊）ら家臣に村重の捜索を命じる。秀吉の弟・秀長（大森南朋）、軍司・黒田官兵衛（浅野忠信）の策で村重を捕らえ、光秀に引き渡すが、光秀は村重を殺さず匿う。村重の行方が分からず苛立つ信長は、思いもよらない方向へ疑いの目を向けるが、それはすべて仕組まれた罠だった……。 （KINENOTE）
たけし流の本能寺の変。今ではすっかりおなじみになった秀吉陰謀説。
天下取りを狙う秀吉（ビートたけし）
どう考えてもたけしの秀吉は老けすぎ
秀吉は参謀格の名軍師：黒田官兵衛（浅野忠信：左）と超お調子者の弟秀家（大森南朋：右）と策を練る
お調子者の秀長。
信長の死を聞いて泣いているのにいつの間にか笑みが・・・。
大森南朋好演
存在感のない明智光秀（西島秀俊）
いつも平坦な表情の西島秀俊が何を考えているかさっぱりわからない光秀にピッタリ
秀吉と信長に翻弄され頭が悪そうな光秀
秀吉にはいいように使われて
信長にはいびられる
暴君・魔王：織田信長（加瀬亮）
荒木村重（遠藤憲一）を剣にさした饅頭でいびって血だらけの口に接吻。
超変態、ドS
タヌキ親父：徳川家康（小林薫）
戦場では影武者が次々と殺される
信長の毒殺も上手くかわす
怪しい動きの千利休（岸部一徳）
秀吉がわにも取り入り
家康側にもモーションをかける
秀吉、信長、家康、光秀、千利休など多彩な登場人物たちの間を行き来するキム兄演じる曽呂利新左衛門がもう一人の主人公か？
芸人のくせに弓の名手
秀吉に憧れる茂助（中村獅童）も曽呂利と行動を共にする。
もう一つの主題は戦国時代のBL（衆道）。
衆道を扱った時代劇作品では、北野武監督自身も出演していた大島渚監督の「御法度」が有名だ。
光秀と村重のBL①
光秀と村重のBL②
信長と森蘭丸のBL
光秀も信長にキスを迫られる
信長、光秀、村重の衆道関係は描かれるが、秀吉はどの男性とも関係を持たないが、
女性関係が描かれることもない。
そもそもこの映画は女性がほとんど出てこない。
唯一、役名があってセリフがある女性が柴田理恵というのもシュール。
家康に女を世話しようとするやり手ババァ
どう考えてもやりすぎメイク
タイトル通り“首”のシーンが多く出てくる
冒頭から首無し死体
本能寺の変：部下の弥助が信長の首をはねる
光秀は自分で首を斬る
光秀の首を取って大喜びの茂助だが、この後、殺されてしまう。
茂助の汚くなった光秀の首
光秀の首をける秀吉
合戦シーンもなかなか迫力があり、さながら戦国版「アウトレイジ」のよう
死屍累々の俯瞰シーン
織田の鉄砲隊と武田勝頼の騎馬隊の闘い
バイオレンスシーンはよかったが時々でてくる“お笑い”のシーンが微妙。
お笑いの要素はなかった方がよかったように思う
ひじ掛けを殴って痛がる往年のたけしのコントのボケの再現
宇喜多忠家と蜂須賀小六の凸凹コンビ
出演者は豪華だった
大竹まこと
遠藤憲一
勝村政信
津田寛治
寺島進
中村育二
劇団ひとり
桐谷健太
ホーキング青山
荒川良々（右）
六平直政
矢島健一（右）
カラー131分
【鑑賞方法】配信
【原題・英題】KUBI
【制作会社】東宝＝KADOKAWA
【配給会社】東宝
【監督】北野武
【脚本】北野武
【原作】北野武
【制作】夏野剛
【撮影】浜田毅
【音楽】岩代太郎
【編集】北野武 太田義則
【美術】瀬下幸治
【衣装】黒澤和子
【出演】
ビートたけし：羽柴秀吉
西村秀俊：明智光秀
加瀬亮：織田信長
中村獅童：難波茂助
木村祐一：曽呂利新左衛門
遠藤憲一：荒木村重
勝村政信：斉藤利三
寺島進：般若の佐兵衛
桐谷健太：服部半蔵
浅野忠信：黒田官兵衛
大森南朋：羽柴秀長
六平直政：安国寺恵瓊
大竹まこと：間宮無聊
柴田理恵：マツ
矢島健一：本田忠勝
堀部圭亮：宇喜多忠家
仁科貴：蜂須賀小六
津田寛治：為三
劇団ひとり：丁半博奕の客
ホーキング青山：多羅尾光源坊
荒川良々： 清水宗治
寛一郎：森蘭丸
小林薫：徳川家康
岸部一徳：千利休