浅丘ルリ子の見事な弾けっぷり
★★★★☆
中平康監督、宍戸錠主演のコミカルなアクション映画
軽快なテンポの会話とスピーディな展開であっという間の80分。
<ストーリー>
紙幣印刷用の透かし入りの紙を盗み、ニセ札づくりの名人(左卜全)を使って大量のニセ札を印刷して、ドルに換金して大儲けしようとする一味と、事件を嗅ぎつけて、これまた一儲けしようとする三人組(宍戸錠、長門裕之、草薙幸次郎)、そして巻き込まれた女子大生(浅丘ルリ子)。名人をめぐってギャング一味と4人が対決する。
宍戸錠が扮するのは、ガラスをこする音が苦手な“ガラスのジョー”。
個人的な宍戸錠主演映画のベスト5は「拳銃(コルト)は俺のパスポート」「野獣の青春」「探偵事務所23 くたばれ悪党ども」「殺しの烙印」そしてこの「危いことなら銭になる」だと思う。
ガラスをこする音が大の苦手
もしかしてこれはソープ?
宍戸錠が乗っている真っ赤な小さい車が格好いい。この車はメッサーシュミットKR200というらしいが、前が2輪、後ろが1輪の三輪車で、前後で2人しか乗れない大きさでドアがなく、屋根ごと上にあげて降りる。
そして、美しさがピークの浅丘ルリ子。
早口でアクションもこなし、とにかく明るく元気で可愛い。
工事用の作業服も真っ赤なシャツにジーンズもよく似合う。
ひっくり返ってパンティが見えてしまうサービスショットや、後半にはジーンズの後ろポケットに入っているナイフを宍戸錠が探すシーンで「そこ。そこよ」ときわどいセリフもある。
ルリ子のお尻のポケットを探る宍戸錠の手。「そこよ、そこ」
そして、仲間には計算尺の哲:長門裕之、ダンプの健:草薙幸次郎。
日活おなじみのわき役たち、郷えい治、野呂圭介、井上昭文、藤村有弘・・・。
ニセ札つくりの名人に左卜全(怪演!)、その奥さんに武智豊子。
とぼけた左卜全と、なぜか銃の扱いが上手い婆さん
陰湿な悪人が出てこない、明るい犯罪映画。男3人と女1人のコミカルな犯罪者グループは、まさに「ルパン三世」の元ネタ。
様々な美術、小道具、演出も楽しい。
・キャバレー「アカプルコ」下の作業場からガラスの上の舞台が見える。
・組み立て式のライフル(「ジャッカルの日」の10年前!)
・路面が走る水天宮の交差点のロケ
「あした晴れるか」でも使われた水天宮の交差点
・原っぱでの取引の場面の矢印の演出。
矢印で取引の双方の動きを示す。というか人が小さすぎて矢印が無いとどこにいるかわからん
・血みどろ死屍累々のわりに悲壮感がないエレベーター前の銃撃戦
悪者が宍戸錠たちを殺そうとする時に、せっかく工事現場の下の音が漏れない地下室に監禁しているのに持っている銃を使わずに、ガスで殺そうとしたりするところは?だが
中平庚は、この作品や「あした晴れるか」のような明るい作品がいい。
カラー82分
【鑑賞方法】DVD 日活
【原題・英題】DANGER PAWS
【制作会社】日活
【配給会社】日活
【監督】中平康
【脚本】池田一朗 山崎忠昭
【原作】都筑道夫「紙の罠」
【撮影】姫田真佐久
【音楽】伊部晴美
【編集】丹治睦夫
【美術】大鶴泰弘
【出演】
宍戸錠:近藤錠次
長門裕之:沖田哲三
草薙幸次郎:芹沢健
浅丘ルリ子:秋山とも子
左卜全:坂本名人
武智豊子:婆さん
浜田寅彦:土方
山田禅二:長い
郷えい治:ビッグの修
野呂圭介:紺野
榎木兵衛:ノッポ
井上昭文:政