なぜカラーで撮らなかったの?

 

 

 

 

 評価:★★★★☆

三船プロダクションの第一回制作作品。


 

<ストーリー>映画.comより抜粋

 マグロ船「第八東丸」はカナリヤ群島のラスパルマスを基地に操業していたが、漁獲量が平均に達せず船長兼漁撈長の矢野(三橋達也)はあせっていた。そこへ本社の調査部から新任の漁撈長村上平八郎(三船敏郎)が派遣きれてきた。事務屋に何ができるかと船員たちは冷たく村上を迎えたが、村上は慎重に船を点検した後漁場に向った。彼は漁場に来ても投縄を入れようともせず、冷笑する船員をしり目に四日間というもの漁群探知器と水深温度計を見比べていた。そしてついに、村上は投縄スタンバイを命令した。二十数時間ぶっ通しの操業が始まったのだ。だが、縄に足をとられた津田(田村亮)を助けようとして青木(佐藤允)が大怪我をした。船はただちにラスに帰港し英国病院に青木を運んだ。そこには村上が機内で知合った看護婦戸川洋子(浜美枝)がいた。一方、自責の念にかられた津田は行方をくらました。また船員たちは、かつて第八東丸がスペイン船の縄を絡んでしまい、そのため縄が切れたことから、スペイン人の船員と乱闘を演じた。やがて津田が戻ってきた。そして船は出港し、嵐の中で待望のマグロが大量にかかった。これで内地に帰れると船が喜びに充ちていたとき、スペインのヨットからSOSの信号を受けた。村上は反対を押しきって救助に向った。そしてスペイン人親子を救ったが、今度は操業途中で切った縄を探さねばならない。やがて、悪天候もおさまった。その時、乱闘を演じたスペイン人の船が近寄って信号を送ってきた。「小サイ日本船ノ大キナ勇気ヲタタエル。貴船ノ縄ハ魚ト共に預ッテイル」第八東丸も「小サナスペイン船ノ大キナ友情ニ感謝スル」と応えるのだった。


 

三船敏郎以外の出演者も三橋達也、中堅の平田昭彦、船に乗っているメンバーは東宝娯楽映画に欠かせない佐藤允、中丸忠雄、堺佐千夫、沢村いき雄と良いメンツが揃っている。

 


主演はもちろん三船敏郎


左から佐藤允、三橋達也、平田昭彦

 

船員たち(前列左から2人目に中丸忠雄、中央でタバコをふかす沢村いき雄、右端に佐藤允 後列 左から2人目:田村亮、中央:樋浦勉

 

堺佐千夫は三船を好ましく思っていないベテラン船員役

三船と三橋が同時にタバコを出すと三船敏郎を飛び越して三橋達也のタバコに火をつける

 

そして紅一点はボンドガールの浜美枝


海外にいきなりやって来る看護師やくでちょっと設定に無理がある

 

 

 

ロケーションがほぼ船の上かスペインのカナリヤ群島のラスパルマスという場所で日本国内のロケが皆無。

 

モノクロ映画なのがもったいない。

どうしてこれをカラーで撮らなかったのか不思議?

 

 

マグロ漁に向かう、男たちの熱いドラマ、20時間労働なんて当たり前、パワハラ、ブラックな職場などと言ってはいけない。漢・三船についていく荒くれ者の船員たち。

 

漁のシーンもなかなかの迫力

 

 

佐藤允の陽気で豪快なキャラクターがいい、途中退場が残念。

 

 

 

漁のシーンや後半の嵐のスペクタクルはかなり迫力があるし、三船と外国人の一対一の対決もあるし、見せ場がふんだんにある。

クライマックスの嵐のシーンの大スペクタクル

 


三船の乱闘シーン


 

福田純は相変わらず特撮映画以外の演出は素晴らしい。

 

 

【鑑賞方法】DVD東宝

【原題】

モノクロ101

 

【制作会社】三船プロダクション

【配給】東宝

 

【監督】福田純

【脚本】小川英 福田純 関沢新一

【制作】田中友幸 武中孝一

【撮影】斎藤孝雄

【音楽】佐藤勝

【編集】藤井良平

【美術】植田寛

【特撮】中野昭慶

 

【出演】

三船敏郎:村上平八郎

三橋達也:矢野一作

田村亮:津田

佐藤允:青木

堺左千夫:河辺

沢村いき雄:加賀

人見明:安原

小川安三:根本

鈴木和夫:南

樋浦勉:小島

春日章良:江間

中岡愼太郎:前原

中丸忠雄:岩田

中村是好:堀

浜美枝:戸川洋子

平田昭彦:野崎