スタイリッシュでかっこいい
ロックンロールの寓話

 

 

 

評価:★★★★☆

 

 

 

最初のタイトルの出し方から格好いい!

 

ライ・クーダーの軽快な音楽にのせて、ワイプなど様々な映像処理とスピーディなカッティングで次々とキャストとスタッフが紹介されていく。


 


 

 

ストーリーは人気者の女性ロックシンガー(ダイアン・レイン)が暴走族(ウィレム・デフォー)にさらわれて、昔の男(マイケル・パレ)が助けに来るという昔の日活アクション映画のようなパターン。



キャストも日活映画そのもの

 

・マイケル・パレ≒小林旭

夜汽車に乗ってやってくる

 

・ダイアン・レイン≒浅丘ルリ子

歌姫の役だが歌はすべて吹替

 

・ウィレム・デフォー≒宍戸錠

強烈な悪役 左右から中央に集める独特の髪型

 

 豊洲市場御用達のような魚屋ユニフォーム

 


 

 これにダイアン・レインのマネージャーのリック・モラリス、マイケル・パレの相棒となる男勝りの女性兵士エイミー・マディガン(エド・ハリスの奥さん)、そして黒人の4人組ヴォーカル・グループなどが絡んで、テンポよく進んでいき1時間半程度の上映時間も長すぎず無駄がない。

 

・リック・モラリス

いかにも“お金以外の繋がりはありませんよ”というビジュアルが素晴らしい

 

 

・格好いい女戦士マッコイ

 

 

・歌が上手い黒人4人組

 

 

・そしてジェームズ・キャメロン監督作品で情けない役を演じ続けたビル・パクストンがこの映画でも最高に情けない役で色を添える

 

 
 

暴走族のたまり場を襲撃してダイアン・レインを奪還するシーンのアクションが最高。


燃えがるバイク

 

ナイフを無駄にチャカチャカさせるのも格好いい

 

このたまり場でダンスを踊っているのは「フラッシュ・ダンス」でジェニファー・ビールスの代役で踊っていた人らしい。

 

 

 

後半はダイアン・レインとマイケル・パレの恋愛話で少しもたつくが、最後はマイケル・パレとウィレム・デフォーの1対1の闘いで決着する。

 

こんな形相は反則

 

決着が付くと流れ者のヒーローが再び旅に出るのもB級娯楽アクション映画の王道的でよい。
 

所々で切り取られる街の風景や若者たちのファッションもお洒落でよかった

 

 

ヒロインのダイアン・レインは美しさのピークだったし、その後、大活躍するウィレム・デフォーの顔色蒼白で存在感のある悪役、そしてマイケル・パレの相棒役のエイミー・マディガンも恰好よかった。

惜しいのは主役のマイケル・パレに全然、魅力がなかったこと。線が細くてとてもウィレム・デフォーに勝てそうにない感じだった。

 

「ストリートファイター(1975)」で監督デビューして「ザ・ドライバー(1978)」「ウォリアーズ(1979)」「ロング・ライダーズ(1980)」「48時間(1982)」と面白いアクション映画を連打していたウォルター・ヒル監督の頂点をなす作品。残念ながらこの後は下り坂になってしまい初期の傑作群を越える作品は現在まで作られていない。

 

80年代に青春を過ごし、映画を見まくっていた世代には忘れられない映画。音楽が最高にいいので休日の作業用BGMにも最適。

 

 

 

 

 

【鑑賞方法】ブルーレイ吹替)キング・レコード

【原題】STREETS OF FIRE

カラー94

 

【制作会社】ヒル/ゴードン/シルヴァー・プロ

【配給】ユニバーサル映画

 

【監督】ウォルター・ヒル

【脚本】ウォルター・ヒル ラリー・グロス

【制作】ローレンス・ゴードン ジョエル・シルヴァー

【撮影】アンドリュー・ラズロ

【美術】ジョン・ヴァロン

【衣装】マリリン・ヴァンス

【編集】フリーマン・デイヴィス マイケル・リップス

【音楽】ライ・クーダー

【出演】

マイケル・パレ:トム・コーディ

ダイアン・レイン:エレン・エイム

ウィレム・デフォー:レイヴェン

リック・モラニス:ビリー・フィッシュ

エイミー・マディガン:マッコイ

リック・ロソヴィッチ:警官

ビル・パクストン:クライド

デボラ・ヴァン・フォルケンバーグ:リーバ・コーディ

リチャード・ローソン:黒人警官