エイリアン2(1986)アメリカ | おやじの映画館【ネタバレあり】

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観た映画の感想を書いています。
基本的にネタバレありです。
評価は★5大傑作、★4傑作、★3佳作、★2標準作、★1駄作です

 

 ぜひ、完全版での鑑賞を!

 

 

評価:★★★★☆

 

 

<ストーリー>

宇宙貨物船ノストロモ号の生存者リプリー(シガニー・ウィーヴァー)は、57年後、催眠カプセルの中で眠りながら宇宙空間を漂っているところを発見された。

エイリアンの卵があった惑星にはその後、入植者が移住していたが、その惑星との連絡が途絶え、リプリーはその原因調査を依頼される。

宇宙海兵隊員と共に惑星に向かう。植民地はエイリアンに襲撃されほぼ全滅状態だったが7歳の少女ニュート(キャリー・ヘン)を発見、救出した。

そして、大量のエイリアンとの凄絶な戦いが始まった。

 

 

 

前作「エイリアン」はそれまでのSF映画の概念を覆すような、ホラーテイストで新鮮だった。

リアルタイムで劇場公開時に見て衝撃を受けた。

 

続編の「エイリアン2」が作られた時に1作目以上のクオリティは無理と勝手に判断して劇場に見に行かなかったが、後で非常に面白い映画に仕上がっているとの評判になり、見とけばよかったと激しく後悔。

 

その後は見る機会がなく、ブルーレイで出た“完全版”が初見だった。

ずっと完全版しか見ていないので、その後、“劇場公開版”持た時の失望感が大きかった。

完全版との大きな違いは、“リプリーの娘のエピソード”と“入植地でニュートの両親が襲われる場面”の2点である。

 

審問委員会の前に、リプリーが自分の娘が亡くなっていることを知る場面は絶対に必要で、これが無いと観客にはラストまでニューとの救出に固執するリプリーの心境が判らないのではないか。
 

自分は完全版を見た時にリプリーの心境の変化を以下の様に考えていた。
 

1. 最初はノストロモ号でエイリアンに襲われたトラウマにおびえていた

胸からチェストバスターが出てくる悪夢

 

2.娘の死去を知り、地球上でのしがらみが一切なくなり、トラウマを払拭するためにもエイリアン退治に参加することを決意

娘の死を知り、悲しむリプリー(劇場公開版ではカットされたこのシーンは絶対に必要だと思う)


 

惑星に向かうゴツイ戦艦

 

戦士一同
 

 

3.思いのほか、海兵隊がボンクラなので徐々に前作同様本領発揮

 

ボンクラの代表格:実践降下が2回目の隊長

 

お調子者ハドソン(キャメロン作品の情けない役といえばこの人ビル・パクストン)

 

後半大活躍ヒックス(キャメロン作品の2枚目役はマイケル・ビーン)

リプリーとちょっといい雰囲気

 

 

4.ニュートを見つけて守るべき対象が出来た

 


 

5.エイリアンクィーンと遭遇、敵味方であっても同じ自分の子供を守る立場
 

6.エイリアンクィーンを倒して、すべてのトラウマが吹っ切れる
 

 

7.ニュートがリプリーを「ママ」と呼ぶ

 

 

これで大団円で、単なるアクション映画を越えて共感を呼ぶ理由はここにあると思った。


 

 

娘のエピソードが無い劇場版では前作の生き残りの強い女性がエイリアン退治に出かけて海兵隊顔負けの活躍でたまたま見つけた少女を救ってクィーンを倒して全滅という、それこそ単なるアクション映画になってしまう。

 

もう一つのカットされたシーンは入植地の住民が襲われるシーンで、こちらはカットした劇場版が正解。なぜなら、海兵隊が初めてエイリアンと遭遇するまでエイリアンの姿を(フェイスハガーを含めて)一切、見せなければ、海兵隊の最初の遭遇で観客も一緒に海兵隊の恐怖や驚きを共有できるからだ。

 

前作では個性豊かな乗組員たちが、徐々に減っていって最後にリプリーが孤独な戦いを強いられていたが、今回はアンドロイドのビショップ、有能な伍長ヒックスなど周囲に協力してもらって任務を遂行する。

 

アンドロイドのビショップ


なかでもグラマーで筋肉質、赤いバンダナを巻いた男勝りの女兵士バスケスのキャラクターと活躍がいい。最後、弾薬が尽きて負傷したバスケスをダメ中尉が助けに行って一緒に自爆するエピソードが泣かせる。


 

ただし、今作のキーパーソンであるはずのニュートはキャーキャー言い過ぎてうるさい。あんなに悲鳴を上げてばかりでどうして生き残れたのだろう。


 

 

パワーローダーや銃器群のデザインや描写が秀逸、ゲーム世代には最高のアクション映画。

 

 

おなじみのフェイスハガー(お口が卑猥)

 

 

やっぱり尾の首絞め攻撃

 

酸の血を浴びる


 

数は大幅に増量


 

 

所々で合成やミニチュアがチープで残念。


 

 

エイリアンクィーン

デザインもゴテゴテしすぎて今一つ

 

 

完全版は★5


 

 

 

【鑑賞方法】ブルーレイ(吹替): 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

【原題】ALIENS

カラー 137

 

【制作】 ブランデーワイン・プロ作品 

【配給】20世紀フォックス

 

【監督】ジェームズ・キャメロン

【脚本】ジェームズ・キャメロン

【制作】ウォルター・ヒル、デヴィッド・ガイラ―、ゴードン・キャロル

【撮影】エイドリアン・ビドル

【美術】ピーター・ラモント、テリー・オークランド・スノー

【衣装】エマ・ポーテウス

【編集】レイ・ラヴジョイ

【音楽】ジェームズ・ホーナー

【出演】

シガーニー・ウィーヴァー:リプリー

マイケル・ビーン:ヒックス

キャリー・ヘン:レベッカ・“ニュート”・ジョーダン

ランス・ヘンリクセン:ビショップ

ポール・ライザー:バーク

ジャネット・ゴールドスタイン:ヴァスクェス

ビル・パクストン:ハドソン

ウィリアム・ホープ:ゴーマン

アル・マシューズ:アポーン

マーク・ロルストン:ドレイク

リッコ・ロス:フロスト

コレット・ヒラー:ファーロ

ダニエル・カッシュ:スパンクマイヤー

シンシア・スコット:ディートリッヒ

ティップ・ティッピング:クロウ

トレヴァー・スティードマン:ウィズボウスキー

ポール・マクスウェル:ヴァン・リューエン