MOVIE DRIVER(元 ムービーレビューの館 vol.2.0)

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現在公開されている旬の映画を、ただ観てネタバレ含む感想を書くブログです。
3年目に突入しましたが、つたない文章、酷い言葉遣い、サボり癖が目立つので、今年は全世代の人が安心して読めるブログにします。嘘です。

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お宅からは何も感じません。強烈な悪臭以外は。

 

『サバービコン 仮面を被った街』

 

<STAFF>

監督:ジョージ・クルーニー

製作:グラント・ヘスロフ、ジョージ・クルーニー、テディ・シュワルツマン

製作総指揮:ジョエル・シルバー、ハル・サドフ、イーサン・アーウィン、

バーバラ・A・ホール、ダニエル・ステインマン

脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン、ジョージ・クルーニー

撮影:ロバート・エルスウィット

美術:ジェームズ・D・ビゼル

衣装:ジェニー・イーガン

編集:スティーブン・ミリオン

音楽:アレクサンドル・デスプラ

 

<CAST>

・マット・デイモン(ガードナー)

・ジュリアン・ムーア(ローズ/マーガレット)

・オスカー・アイザック(バド・クーパー)

・ノア・ジュプ(ニッキー)

・グレン・フレシュラー(スローン)

・アレックス・八ッセル(ルイス)

・・・etc

 

<STORY>

笑顔があふれる町サバービコンに暮らすロッジ家の生活は、ある時、強盗に入られたことで一変。一家の幼い息子ニッキーの運命は思いがけない方向へと転じていく。一方、時を同じくして町に引っ越してきた黒人一家の存在が、町の住人たちのどす黒い本性をあぶりだしていく。(以上、映画.comより)

 

<TRAILER>

 

 

 

 

 

ちょこっと気になっていたこの作品。

ギリギリ楽日に観に行ってきました!!!

 

 

 

 

まず、簡潔に感想を言うと、

もっと面白くなるのに、モッタイナイ!!

です。

 

 

 

 

 

 

マイナス点からいくと、「全てにおいて中途半端」てことです。

今作は、人種差別問題・保険金殺人・強盗について同時進行のストーリーが描かれているんですが、そのどれもが中途半端になっているように感じました。

 

まずは "人種差別問題" について。今作ではある黒人家族が主人公のガードナー一家の向かい側に引っ越してきて、壮絶な嫌がらせを受けるんですが、今年は『ゲットアウト』『デトロイト』などの人種差別問題にガッツリ切り込んだ傑作が揃っているせいか、それらを超えるような描写が正直一切なく、かなり生ぬるく感じました。個人的にはもう少しガッツリ踏み込んだ描写を入れてくれてもよかったんじゃないかなと感じます。

 

そして "保険金殺人を経て一家の崩壊" について。今作はガードナー家の一人息子ニッキー(ノア・ジュプ)目線で物語が進んでいき、序盤の強盗シーン、終盤の寝室でマフィアに狙われるシーンとドキドキできそうなシーンがあるのですが、イマイチ盛り上がらずに終わるんです。正直全編にブラックジョークが散りばめられている分、ここはもっと怖く振り切ってもよかったんじゃないかなと思いました。この辺りはジョージ・クルーニー監督の真面目さが出たんじゃないかなと思います。サスペンス映画という点においても、大胆などんでん返しなどは特に起こらずに、淡々と進むところも物足りないところになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、個人的にはなかなか嫌いになれない作品ですね。

やっぱりキャラクターがどいつもこいつも良い!!!

常に真顔で、全く頼りないガードナー(マット・デイモン)。

自分が一番で、それ以外はどうでも良いローズ(ジュリアン・ムーア)。

誠実そうに見えてかなりのクズだったクーパー(オスカー・アイザック)。

そして『101匹わんちゃん』、『ホームアローン』、『ヤッターマン』などに出て来るデブとチンピラのコンビというザ・悪党のマフィア2人など、まともな奴が全くいない個性的なキャラクターはめちゃ良かったです。

 

でもなんといっても今作のMVPはニッキーを演じたノア・ジュプ君!!

今作の主人公といっても過言ではなく、序盤の両親への不信感から、どんどん怒りを覚えていく様はなんといっても最高。

ガードナーとローズが地下室で卓球ラケットを使いながらヤっているのを見て静かに電気を消す姿もさることながら、ラストに少し笑顔になるシーンはかなり良かったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今作のメッセージ性についても結構いいこと言っていまして、

自分自身の理想の幸せに近づける為に他人を陥れる人間がいる一方で、他人に優しくなることで幸せを得ている人間もいる。

ということだと思います。

 

白人だけの理想の街を作りたい為に、黒人家族に嫌がらせを行う市民や、早く引っ越して幸せな暮らしを送りたいガードナー一家。ガードナーの悪事を利用して自分に利益を得ようとする保険会社のクーパーなど、自分が幸せになる為には他人なんてどうでも良いと感じる人間たちがいる一方で、

甥っ子の為なら命をはって助けに行く叔父さんや、ラストの散らかった黒人家族の家のゴミを一緒に掃除してくれている白人達など、他人の為に行動している人間も少ないながらも存在している。ということを上手く表現されていました。

 

 

そして、陰惨な殺戮事件が起きて一夜明けたサバービコンのガードナー家の庭で行われるキャッチボール。わずかな希望だけ描いているこのくだりは、皮肉たっぷりで最後まで楽しめました。

 

 

 

 

 

 

 

"あいつ" が散々説教垂れて死ぬラストは、観客しか知らない映画的な見せ方も完璧で、個人的にはかなり好きな一作になりました。

ただ少し物足りなさがある・・・ということです。

賛否両論ありますが皆さん是非DVD出たら観てみてください!!

 

 

 

 

NEXT MOVIE'S HINT )

あのキモ可愛い犬たちの感じ、嫌いじゃない。