坂本龍一さんが残念ながらこの世を去りました。
亡くなってから、その存在の大きさに改めて気づかされた人も多かったのではないでしょうか。
「戦メリ」「ラストエンペラー」もリアルタイムで見た世代です。特に「ラストエンペラー」は最後に立ち見した作品として心に刻まれています。「戦メリ」は松竹セントラル1、「ラストエンペラー」は丸の内ルーブル、「スネークアイズ」歌舞伎町の映画館で見ました。すべて今はもうない映画館です(「シェルタリング・スカイ」は自宅鑑賞)。
オスカー授賞式後のインタビューで「ベルトリッチのリクエストに応えるのが大変だった」というようなコメントを耳にし、確かリドリー・スコットの音楽を手がけた人も同じようなことを言っていたなと思い出しました。
坂本さんはプロなのだなと改めて思った瞬間でした。演奏技術のレベルの高さや作品の素晴らしさももちろん大事でしょうが、クライアントの要求に応える確かな技術を持っているのが真のプロ。しかもそこにクリエイティブな要素が詰まっている。誰にでもできることではありません。
調べれば分かりますが、坂本さんがオスカーを受賞した「ラストエンペラー」以降、日本人はノミネートすらされていません。
目指していないとか目標にしていないという話以前に、日本人のアーティストが海外作品の映画音楽を手がけて話題になったというニュースすら見かけたことがないですし、もしかしたらノミネートされるかも、といった話も聞いたことがありません。
グラミー賞では受賞してる人がいるだろとおっしゃる方もいるかもしれません。もちろんそれはそうですけど、音楽に関心がなくても知っている人物でしょうか?と思うのです。
最後に、日本の歴代興行成績ランキングを見ると、アニメが7作品、国内作品が同じく7作品を占めています。これは世界的に見ると少々異常な現象で、日本全体の空気が内向きになっているのではないかという、外国に関心がなくなっているのではないかという危機感を覚えます。
コロナ禍の影響も若干ありますが、今パスポートを持っている日本人は2割以下です。