びくっ
思わず後退りしてしまった。
昔から人付き合いが苦手で、目を見て話すことはおろか、一歩家を出ると常に俯いているような奈々には無縁の人種。
友人もおらず、学校の授業の時間以外、工場や倉庫で検品や棚卸し作業にあけくれ、出来るだけ人と関わらない生活を送っていた奈々は、チンピラくずれの取り立て屋に加え、あらたに現れた別世界の人間に、瞬時に恐怖と絶望を持った。
その男達のいかにも危ない、余裕な風情と、今までにない状況に。
でも、圧倒的恐怖のなか、なせだか悪い気はしなかった。
それは、進藤と名乗る男のもつ、威圧的ながらもどこか親しみやすい顔つきのせいか。
奈々自身、味わったことのない感情に戸惑いつつ、これから起こるであろう出来事に想像力をたくましくした。