【絵画】フェルエールと17世紀オランダ絵画展 | おきらく映画ファンクラブ

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フェルエールと17世紀オランダ絵画展

(2022年7月16日~9月25日 大阪市立美術館)

日本人はフェルエールが好きですよね。

私もですが美術に詳しくなくても

フェルメールの名前は

多くの人が知っているはずです。

それは映画「真珠の耳飾りの少女」

影響も大きいかもしれません。

エロいスカーレット・ヨハンソンと

怪しいおっさんコリン・フェース主演。

この2人が中世ヨーロッパのムードや匂いを

見事に体現しています。

私もこの映画でフェルメールの存在を知りました。

 

17世紀のオランダの画家としては

レンブラントも有名ですね。

光と影を写実的にとらえた

絵画で知られています。

フェルメールは光そのものを

とらえた作品が特徴です。

振り返る女性、暗い室内の情景

手紙を読む女性、家事にいそしむ女性など

風景画より庶民の日常生活を

描いた風俗画が多いです、

 

フェルメールは43歳という若さで

亡くなりましたが

11人の子供がいたせいで生活は苦しく

映画の題材になりやすい貧乏な芸術家で

あったことは事実のようです。

ですのでフェルメールの現存する作品は

30数枚しかありませんし全世界の美術館に

分散して保存されているので

日本に彼の作品が来る機会も多くありません。

3年前にフェルメールの作品が数点(7点?)

大阪にやってきた時は私も興奮しました。

 

今回の目玉は修復された

「窓辺で手紙を読む女」

絵画の背景に塗りつぶされていた

キューピッドの姿が今回の修復で

復活しました。

誰が何のために背景を塗りつぶしたのか?

没年齢や絵の具の状況から

フェルメール自身が塗りつぶしたもの

ではなさそうです。

このミステリーがまた映画の題材になりそうです。

 

事前に修復前と修復後の絵画が

紹介されていましたし

事前にTV特番や現場では

修復過程のVTRの上映もされていました。

修復絵画の背景(ドラマ性)に

インスパイアされていたので

修復時の苦労や技術の高さに

意識がいってしまいました。

もっと純粋に絵画を観たかった気もします。

 

フェルメールの以外の画家の作品も

数多く展示されています。

背景に黒やグレーなどを多用し

写実的な肖像画や細密な風景画など

見ごたえがありました。

空が青だけでなく夕焼けの薄い赤

嵐の前触れのようなグレーの雲など

表現の正確さや美しさは、さすがです。

 

厳かで静謐な絵画展。

お時間があれば是非

美術館に足を運んでみてください。