バランスのよい受賞~第94回米国アカデミー賞 | おきらく映画ファンクラブ

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世間と私の温度差が違う

米国アカデミー賞授賞式。

 

申し訳ないけど

世間は分かっていない。

ノミネートされるだけで

どれだけ名誉なことか・

受賞すれば、どれだけ凄いことか。

ドライブ・マイ・カーの

国際長編映画賞受賞は

世界各国の高い評価から

監督本人も周りも

疑う余地がなかったでしょう。

願わくば脚色賞もと思っていたけど

残念がったり悔しがる必要もない。

素晴らしい結果です。

 

脚本賞のベルファスト

ついにケネス・ブラナー受賞

監督賞、主演男優賞、助演男優賞など

過去に数々のノミネートはあれど受賞なし

しかも自身の幼少期を反映させた

オリジナル脚本での受賞。

やっとですよね。

さぞかし、彼自身も嬉しかったでしょう。

監督としても役者としても

数々の共演をしてきた

英国の至宝

ジュディ・デンチも同じ会場にいて

見ている方もなにか胸が熱くなりました。

 

監督賞は2年連続の女性監督

ジョーン・カンピオン

受賞作はパワー・オブ・ザ・ドッグ

難解なというか芸術性の高い

平たく言えば難解な映画なんですが

女性らしからぬ力強さと

女性らしい繊細さの同居した力作です。

過去に「ピアノレッスン」という

素晴らしい映画を生み出していて

その時もアカデミー監督賞に

ノミネートされていました。

受賞後のスピーチでも嬉しさが

爆発していましたね。

私も個人的に凄く嬉しかったです。

 

作品賞は「コーダ あいのうた」

フランス映画「エール」のリメイクです。

私はまだ見ていませんがストーリー紹介で

なにか知っているような話と思っていました。

ろうあの家族の中で

唯一耳が聞こえる娘を理解し才能を

羽ばたかせようとする家族の物語。

このアットホームな題材を

舞台をアメリカに置き換え

まさしくアメリカンドリームストーリーに

昇華させた話題作。

いかにもハリウッドが好みそうな作品です。

 

作品賞、監督賞、脚本賞、脚色賞と

とてもバランスのいい結果となりました。

どの作品も一番いい形で

評価されたように感じました。

 

コーダあいのうたもマクベスも

ドントルックアップもチックチックブーンも

配信作品なんですね。

もう当初から劇場上映されなくでも

配信会社の資本作品も

アカデミー賞対象作品と

認知されたという事です。

 

なにか今回のアカデミー賞は

いろんな意味で歴史の転換点を

迎えたような気がします。