東京マリーゴールド | おきらく映画ファンクラブ

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東京マリーゴールド(2001・日・97分)

原作;林 真理子

監督、脚本:市川 準

出演:田中 麗奈、小沢 征悦、樹木 希林ほか

 

21歳のエリコは失恋し正社員にも慣れず

退屈な毎日を過ごしていた。

合コンで知り合ったタムラと知り合う。

彼にはアメリカ留学中の彼女がいた。

エリコは彼女が帰ってくるまでという

約束で田村と付き合うことになる。

 

東京の街並みや当時のヒット曲

おまけに女優・石田ひかりさんを

本人役デチョロっと出すあたり

トレンディーと言いますかオシャレです。

ただ、18年経ってみると風景が違います。

この6月に東京の渋谷辺りを移動してましたが

オシャレというより猥雑さを感じました。

18年前と同じなのは空の青さくらいでしょうか。

 

ただ、人の心はそう変わるもんではなくて

男と女の恋愛事情も時代は変われど

色あせることなく古臭さは感じません。

林真理子さんの原作のもつ

女性の目線は鮮やかで気もちがいいです。

 

フレンチマリーゴールドは1年草です。

1年限りの期限付き恋愛。

エリコの恋もマリゴールドって

意味のタイトルです。

2人とも独身でフリーなんだから不倫でもない。

ただ恋人がいるってことは不在中に

別のパートナーを見つけるのが裏切りに

なるんでしょうか。

 

様々なひっかりが

そうだったのかと

最後にパズルのピースが

ピタッとはまった時は

気持ち良かったですね。

なぜ、エリコの別れの手紙に

タムラが涙したのか?

その理由が最後に分かるのに

涙の理由が全くわからないという

男性のレビューが多かったのを

記憶しています。

 

男って未練がましくて

意地っ張りで

どうしようもないものですよ。

 

最後、エリコの表情に笑顔が戻ったのは

そのことに気が付いたからで

ヨリを戻そうとか、やり直せるって

意味の笑顔ではありません。

 

セリフが少なくて音楽がうまく画とあっています。

重い話ですが軽やかでジメジメしていない

流れるように物語が進みます。

本を読んでいるような間でドラマが進みます。

CMが入る余地がない。

だからTVで放映されにくいです。

しかし、市川準さんは元CM監督です。

その経験をうまくこの映画で利用します。

流石です。

 

それにしても田中麗奈さんの綺麗なこと。

横顔が何とも言えず素敵です。

この映画「ほんだし」がスポンサーで

お味噌汁を飲むシーンが印象的です。

そういえば当時、樹木希林さんと

田中麗奈さんがCMで親子役を演じていましたね。

少し若い樹木希林さんがこの映画でも

田中麗奈さんのお母さん役を演じています。

陶芸家の役ですがカッコいいですよ。

後味が、すっぱい珠玉のラブストーリーです。