「Shrink (シュリンク)―精神科医ヨワイ」の第2話では、

 

主人公の精神科医弱井(中村倫也)が新たな患者、谷山玄(松浦慎一郎)と向き合います。

 

玄は双極性障害を抱えており、彼の躁状態と鬱状態の間での苦悩が描かれます。 

 

玄の妹・楓(土村芳)は、兄の状態を心配し、弱井に助けを求めます。

 

弱井は、玄が適切な治療を受けられるようにサポートし、

彼の回復を目指します  

 

「Shrink (シュリンク)精神科医ヨワイ」第2話見逃した方

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精神科医弱井(中村倫也)が玄を診断した双極性障害の中でも重症タイプの1型だと言っていましたが、

 

玄の育った環境も考えると、35歳以降では発症が珍しいと言われる強迫性障害も合併していたのではと推測します。


双極性障害の有病率は日本人は0.2%と言われるのに比べ、強迫性障害の有病率は0.5~2%とやや多いようで、責任感が強く、几帳面さ、こだわりが強いのが、疾病の原因で、玄を見ていると気の毒なくらい症状が当てはまっています。

 


楓が述べていたように、早く父が亡くなり母が家を出て、冷蔵庫に食事がなくなり、飢えた玄が万引きで逮捕され、親戚にひきとられ、玄が高校中退して楓を大學にいかせてくれたという環境が、あまりに苛酷で、玄の性格が変わったというのが悲惨です。

 

 


さらに、店長としての厳しいノルマが、のしかかったのが最後の病気のトリガーになったようです。

 


そんな玄を優しい言葉で、弱井がいたわり、心理教育として、「眠りと気分の記録表」で自分の症状を客観的にとらえて、気分を安定させ、施設に入院させて対人関係・社会リズム療法を導入させたのは正解です。

 


それでも食堂で、自分の席を占領するなとクレームをつける患者の田所がいたり、

南のように干渉してくる患者がいて、玄が激昂しないかヒヤヒヤでした。

 

又、追い打ちをかけるように、3回目の入院だという管理職だった林が、玄が患者を見下していると指摘するなど、果たして玄が適合できるのか心配でしたが、徐々に融和できたのは治療の成果だったようです。

 


しかし、この疾病は発症後5年以内に8割が再発すると言われるように、硝子のように壊れやすい精神状態なのに、いきなりの会社からの配慮のない解雇通知が、再び玄の心を破壊してしまいました。

 


でも、この疾病の治療法に家族療法という心理療法があるように、

楓を巻き込めないという玄に、弱井が柔道の経験がある玄に加納治五郎の自他共栄の精神のように楓を含めてチームで戦うことを諭したのは正解でした。

 


絶望した玄が柔道の恩師、仙川に、学歴がないのをバカにされたくなくて頑張って来たが

もうおしまいだと人生の降伏宣言をすると、

 

師匠は学歴なんてどうでもいい、

 

玄が負けそうな試合で見せた最後の逆転の一本背負いが玄らしさだと励ましたのは感動的な場面でした。

仙川もまた、玄の家族のような存在だったようです。

 


そしてなにより、楓が恋人が玄を受け入れてくれて幸せな結婚ができると伝え、

玄に今までありがとうよく頑張ってきた。

 

今度は自分に玄を守らせてと言ったのが泣ける場面でした。

 


薬物などより、一番の患者の支えが家族という家族療法に救われました。

 


次回3話、新宿のBARでは働く風花が、二股交際をするなど気性が荒い女性ですが、

手首を切るなど自傷行為があるパーソナリテイ障害と弱井が診断するようです。

 

 

 

自己愛性、反社会性、統合失調型、回避性などの類型があるようで、

おそらく思春期に受けたエリートサラリーマンの父親からのパワハラが原因だと推測します。

 

父親役のベテラン光石の演技も見物です。