光る君へ第16話「華の影」について

 

穏やかで人が良さそうであった道隆がすっかり変わってしまい悲しかった。

 

道隆も道兼も父親に対して崇拝にも似たような感情があって、

 

真面目な道隆は藤原一族の栄華を守り次の世代に繋ぐという父兼家の言葉を実直に遂行しているようにも思えたが、今回はあまりにも冷徹だった。

 

それは疫病に苦しむ民や疫病対策について進言した道長に対してもだが、

怖かったのは帝さえも軽んじているような態度を示したところだ。

 

その道隆に反して道兼は憑き物が取れたように変わり、

汚れ役は自分の役割と道長を庇うシーンはとても切なかった。

 

彼は兼家の呪縛から解かれたのだと感じた。

 

演じる玉置玲央さんの表情がとても良かった。

 

そして枕草子に出てくる「香炉峰の雪」のシーンも良かった。

 

サラッと描かれていたところも粋な演出だし、

 

中宮定子と清少納言のやり取りに二人の賢さと洒落っ気が現れていてとても素敵だった。