No.17

DATE 2009.12.21




マイケル・ジャクソンの死に寄せて


今年も年の瀬が近づき,1年を振り返るときが来ている。

どうしても忘れられないのはマイケル・ジャクソンの死。

彼の死は世界中の人々に強烈な一撃を見舞った。

マイケルのファンならずとも,いちどは彼の曲を聴いたことがあるはずだ。

彼のつくる音楽は記録的なヒットを飛ばし,世界中の人々が彼のダンスに熱狂した。

一方で,彼の人生はゴシップにまみれていた。訴訟に次ぐ訴訟。

1年で100件を超える裁判を抱えたこともあるという。

何をしても非難され,真意を勘繰られる。周囲の人間からは訴訟が起きる。

裁判に次ぐ裁判はマイケルの精神を蝕んでいっただろう。彼は姿を見せなくなっていく。

ラストのワールドツアーを行うと発表されたときも,マイケルの破産を疑う声があがった。

マイケルは完璧主義の人間だ。自らの人生そのものである音楽には"完璧"を求める。

だから彼は大成功をおさめ、「KING OF POP」とよばれる音楽界の頂点に上りつめた。

彼の成功は莫大な富を生んだが,その富は彼の人生を潤さなかった。

ある種の人々にとって、マイケルの潤沢な財産は,「いいカモ」に見えたのだ。

マイケルの音楽の魅力の一つはその歌詞にある。

恋愛を歌う曲も多くあるが,人間としての孤独や妬み,裏切りを歌う歌もある。

そして、人々の幸せや融和、そして世界の平和を歌う「Heal the world」。

この曲には、マイケルの生涯をかけたメッセージがこめられている。

財産をむしり取ろうとする人々は人間の醜い部分をさらけ出してしまった。

しかし,純粋にマイケルの音楽を愛する人も世界中にたくさんいる。

人間は醜悪さと美しさを併せ持つ。どちらか片方だけの人間はいない。

皆が少し優しさをみせたなら,マイケルの理想の世界に近づくことができるのだろうか。






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