今泉力哉監督。


『愛がなんだ』
28才のテルコ(岸井ゆきの)は、友人の結婚パーティで知り合って以来、たまに遊ぶようになったマモル(成田凌)にベタ惚れ。
呼ばれるや否や、仕事や友人を放っぽって彼の元に駆けつけていた。
一方のマモルは、テルコには少し壁を作り、都合のいい時だけ呼びつけて遊ぶ相手にすぎなかった。
しかし、ある日を境にマモルの方から急接近。
テルコは舞い上がるが、しばらくするとまた連絡が来なくなり…。

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原作は「八日目の蝉」「紙の月」などの角田光代さんの小説です。
監督は「知らない、ふたり」などの今泉力哉さん。

変なもんだ。
恋愛とは。

人を好きになる時なんて、それこそ手がきれいだとか
ほんの、なんでもないきっかけなのに。
そこに理由や理屈なんて、なくてもいいのに。

他人が酷い恋愛をしていると、それこそ助けたくなったり説教したり。
「あいつのどこがいいの」
なんて理由や理屈を聞きたがって。

他人のことはよく見えて。
自分のことは見えなくて。

そんな細かい人間の機微を、浮き立たせて見せるのが上手なのです。
今泉監督。

メインの二人が良かったですね。
成田凌さんの、くそダサい感じ。
いや、誉めてるんですよ!
強気に行ける相手にはオラオラで
それが通じない相手にはショボショボなマモル。

そんな一面を知っていながら
マモルにぞっこんなテルコの感じを
岸井ゆきのさんが、ある種狂気じみた感じで演じてらして。

アホやな〜…と思いながらも
どこか自分のことを見透かされているような感覚。

決して派手さはないですけど
胸に残る映画でした。