アームストロング船長!


『ファーストマン』
空軍のテストパイロットであるニール・アームストロングは、NASAの宇宙飛行士に応募。
幼い娘を亡くしたニールは、悲しみを乗り越えてヒューストンの有人宇宙センターで訓練を積む。
しかし宿敵ソ連は、いつもアメリカの一歩先を進んでいた。
アメリカは立場を逆転すべく、誰もなし得ていない「月への到達」を宣言する‥‥。

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監督は「セッション」「ラ・ラ・ランド」などのデイミアン・チャゼル。
人類で初めて月面に降り立った男ニール・アームストロングの物語です。

とにかく閉塞感が凄いんですよ。ほんとに。
まさにこちらがあの時代のロケットの、狭いコクピットに押し込められたかのような。

飾りっけのない、鉄にボタンやレバーがついたのみの操縦機器。
アナログな回転式のメーター類。
ギシギシミシミシと音をたてるボディ。
そして、映画館のシートが震えるほどのロケットの轟音。
それがまた長くて。
閉所恐怖症の人は観れないですね。きっと。笑
でも、可能ならぜひこれは映画館で体感して欲しい。

当時は、今よりもっと打ち上げ成功率も低く。
ロケットの性能なんて、現在と比べ物にならないほど。
打ち上げや飛行実験の失敗により、何人命を落としたことか‥‥。

それでもアメリカは宇宙に飛び出し、月を目指したのです。
ソ連との宇宙開発競争が、技術を越えた挑戦をさせてしまったんでしょうね。
もちろん、挑戦に技術が追い付いたからこそ、成功したのですけど
勝ち負けに取り憑かれて、暴走しているかのような怖さも感じました。

そんな中、アームストロングはとても物静かで。
よく言えば冷静。
悪く言えば何を考えているか分からない人。

自ら月行きを熱望したというより
運命が彼を月に運んだかのような。
そこがとても興味深かったです。

まわりの喧騒や妻の心配をよそに、感情をあらわにしない男だからこそ、この偉業が成し遂げられたのかもですね。

無謀な挑戦に、背筋が寒くなりましたが
前人未踏のチャレンジにまっすぐ突き進める熱さに、羨ましさも感じました。

いや~、お尻にめっちゃ汗かいた。


☆個人的見どころ
 ・ロケット怖すぎ
 ・アームストロングと子供たち
 ・月に立つ