インド映画おそるべし。


『バジュランギおじさんと、小さな迷子』
パキスタンの少女シャヒーダー(ハルシャーリー・マルホートラ)は、声が出なかった。
心配した母親が、彼女を連れてインドの寺院に願掛けに行くが、帰り道にシャヒーダーは迷子になってしまう。
町でさまよっていた少女を保護したのは、ヒンドゥー教徒のパワン(サルマーン・カーン)。
彼は懸命に少女の親を捜すが、途中で彼女がパキスタン人だと知り戸惑う。
それでもパワンは少女を親元へ届けると決意し、彼女を連れてパキスタンへ密入国をくわだてる‥‥。

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監督はカビール・カーン。
インド映画です。

なんだこれは。
なんだこの映画は。
クライマックスの約20分、涙が止まりませんでした。

ご存知の方も多いでしょうが
インドとパキスタンの関係は、本当にデリケートで複雑なのです。
人によっては、今も憎しみあっていたり。

その辺りも踏まえてのこの映画。
宗教感や風習の違いなど、日本人には共感しにくい部分もありましたが
きっちり手順を踏みながら進んでくれるので、心配はなく。

パワンの小さくとも真っ直ぐな正義心が、大きなうねりを起こし
最後にズドーン!
と胸に突き刺さりました。

そのパワンの、明るく真っ直ぐなキャラクターも素敵だったのですが
なによりも、シャヒーダーを演じるハルシャーリー・マルホートラちゃんが素晴らしかった!

何千人からのオーディションで選ばれたそうですが
かわいらしいのはもちろんのこと
しゃべらずに表情だけで感情を表す、難しい役どころを完璧に演じきり
クライマックスでは、そこいらじゅうから鼻をすする音が聞こえてきました。いやマジで。

約2時間半と、映画としては少し長めでしたが
あなたの人生のうちの2時間半を、ぜひともこの映画に使ってみてください。

きっと後悔はしないですよ。


☆個人的見どころ
 ・嘘をつけないパワン
 ・天才子役ハルシャーリー・マルホートラ
 ・ラスト20分ずっと