「ライ麦畑でつかまえて」誕生秘話!


『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』
1939年、コロンビア大学に編入した、作家志望のサリンジャー(ニコラス・ホルト)。
恩師に指導を受けながら、出版社に短編を持ち込むが、ことごとく断られていた。
ようやくニューヨーカー誌に掲載が決まるが、太平洋戦争が開戦し、掲載見送りに。
召集され、戦地に送られた彼は、地元に残してきた恋人の結婚を知り、身も心も傷つき‥‥。

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監督・脚本はダニー・ストロング。
「ライ麦畑でつかまえて」の著者J.D.サリンジャーの半生を描いた伝記映画です。

あんまり本を読まない僕でも、この本は知ってますよ。
そして、サリンジャーがこの本以降、ほぼ引退状態となり
作品の映画化・舞台化なども認めず
晩年は人目を避けるように、ひっそり暮らしたということくらいは。

なんとも数奇で凄絶な人生でしょうか。
でも結果的に巡り合わせが良かったからか、名作「ライ麦畑でつかまえて」が生まれ
その反動として、他の作品を書かず(書けず?)引退状態になってしまったんでしょうね。

サリンジャーの人生の中で、兵役で激戦地に行ったことは、かなり大きな出来事で。
生死の境をさまよった時に、心の支えの一つになったのが、この「ライ麦畑~」の完成。
何年もかけ、彼の人生の経験と時間を注ぎ完成させたこの作品は、自身の子供であり分身であり。

「魂を込めて」「心血を注いで」
小説に限らず、アーティストの作品によく使われる言葉ですが
サリンジャーのこの作品ほど、その言葉に当てはまるものはないのでは?
と思えるほどの重みが、この映画から伝わってきました。

「ライ麦~」の映像化や舞台化を一切認めなかったサリンジャー。
その理由が垣間見れましたよ。

主演のニコラス・ホルトの好演もあり
最後まで興味深く、引き込まれる映画でした。

少し前に公開されていた
「ライ麦畑で出会えたら」
これはある高校生が、学園祭で「ライ麦畑~」の舞台をやる許可を得るため
隠遁生活を送るサリンジャーに会いに行くという映画なんですが。
併せて観るのも楽しいかもですよ。


☆個人的見どころ
 ・師との関係
 ・凄絶な人生
 ・元恋人の結婚相手