男くさ!


『ボーダーライン ソルジャーズ・デイ』
アメリカで、15人の死者を出した自爆テロ犯が、メキシコを経由した密入国者だという情報が。
アメリカ政府は、さらなる犠牲者を出さないよう、CIAの特別捜査官マット(ジョシュ・ブローリン)に指令を。
それは、国境付近で密入国ビジネスを仕切る麻薬カルテルの撹乱だった。
マットは、カルテルに恨みを持つアレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)に協力を要請。
麻薬王の娘をさらい、カルテル同士の抗争を引き起こそうとするが‥‥。

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監督は「暗黒街」などのステファノ・ソッリマ。
前作「ボーダーライン」の続編です。

いやーもう、男くせぇのなんの。笑
ベニチオ・デル・トロと、ジョシュ・ブローリンですから。
見た目からして「ザ・男」の2人。
そんな2人が、麻薬カルテルを相手に、非人道的な謀略で大立ち回り。
とにかく泥臭く血生臭くて。

ただ、そのヒリヒリ具合がいいんですよね。
命の軽い地域にいたとて
死にたい人間なんていないわけですから。
みんな、そこで生きるために必死なのです。

殺される前に殺す。
究極であるはずのその選択肢が、あまりにも浅いところで現れるのです。

あることがあり、絶対的窮地に陥ってしまうアレハンドロ。
そこからの緊迫感たるや。
身体中の毛穴が閉まるかと思うくらい、力が入りました。

原題は「SICARIO」。
スペイン語で「殺し屋」という意味らしいですが
「ボーダーライン」も良い邦題ですね。
国境線の意味でもあり
正義と悪の線引きでもあり。

巨悪と戦うためとは言え、自らも非道な罪を犯す。
僕は両手を挙げてそれを肯定することはできないですが
覚悟を持って「ライン」を越える男たちに、しびれまくりの映画でした。


☆個人的見どころ
 ・善悪のボーダー
 ・アレハンドロの選択
 ・まさかのラスト