舞台の映画化です。


『あいあい傘』
恋園神社の近くで学習塾を営む六郎(立川談春)。
神社の売店で働く玉枝(原田知世)とは夫婦で娘も一人いるが、籍は入れていなかった。
年に一度の恋園神社のお祭りの日、さつき(倉科カナ)という女性が神社を訪れる。
実は彼女は、25年前に幼い自分と母親を置いて消えた父親を探しに来たのだ。
六郎が本当の父だと分かったさつきは、町の人たちに近づき、どんな人物かを探ることに‥‥。

-------------

監督は、俳優でもあり脚本・演出家でもある宅間孝行さん。
劇団「東京セレソンデラックス」が上演した舞台の映画化だそうです。

市原隼人さん、トミーズ雅さん、やべきょうすけさん、高橋メアリージュンさん、入山杏奈さんなど、キャスト陣も個性的!

やっぱりグッと来ますよね。
父と娘の物語は、はずれが少ない!気がする!

登場人物がみんな優しいんですよ。
六郎が訳ありなのを知りつつ、そこを深堀りせず。
過去はどうあれ、今そこにいる六郎を見て、信頼を置いていて。
その時点で、なんかもうじわじわきちゃいまして。

何より、六郎と玉枝の関係が。
長年いるのに、負い目もあってか、ずっと心の奥底で遠慮が取れない六郎と
それを承知で、六郎を支えている玉枝。
優しすぎる!二人とも!

そして、どこからか六郎の居どころを察知してやってきた、実の娘のさつき。

恨みをぶつけるべくやってきたはずなのに
ご近所から愛されている六郎の姿を遠巻きに見て
振り上げた拳のやり場に困るさつき。
倉科カナさんの熱演が、凄く良かったです。

ただ、出てこないんですよね。
六郎の元の奥さんが。
いや、さつきの話から様子をうかがうことはできるんですけど。

これは、六郎・玉枝・さつきと、元の奥さんの4人の物語だと思うんで。
そこの一角が、いったいどう思っているのか、どこまで知っていたのか
僕は知りたかったです。

もちろん、あえて隠してるんでしょうから
こうやって全てを知ろうとする見方は野暮なんですけどね。笑

暖かいストーリーもそうですが
美しい祭りの風景にもいっぱい癒されました。


☆個人的見どころ
 ・再会?
 ・人の優しさ暖かさ
 ・高橋メアリージュンさんのチンピラっぷり