にちにちこれこうじつ。


『日日是好日』
大学生の典子(黒木華)は、母親から茶道教室を勧められ、従姉の美智子(多部未華子)と通うことに。
先生である武田のおばさんは、母が「ただ者ではない」と言っていた女性。
気乗りせず、戸惑いながら始めた茶道だったが、典子は少しずつ魅力を理解し始める‥‥。

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監督は「セトウツミ」などの大森立嗣さん。
原作は、森下典子さんのエッセイだそうです。

いや~この映画、すんごく良かったです。
茶道をテーマにした映画ですから。
ともすれば静かに進んで、退屈ともなり得るかなと
失礼な予想をしながら観賞したのですが。

退屈なんてとんでもない。
僕の知らない「日本の魅力」が詰まりまくってましたから。
退屈する間なんてなかったですよ。

昔の人が何を楽しんだのか。
スマホはおろか、テレビもラジオもレコードもなく
映像も音楽も簡単には得ることができない時代に。

茶道。
お茶はもちろん
季節を表すお菓子や
何気ない会話と
器や空間を楽しみ。

そして、庭園とかではない、ごく平凡なお庭。
しかしそこには、四季を楽しんで
日の光りや、雨のしずく、風の音を楽しむ演出が、随所に工夫されていて。
主の、客人をもてなす優しさが散りばめられてあるのです。

そんな風に、日常のあちこちにもある何気ない魅了に
黒木華さん演じるヒロインの成長とともに気付かされ
分かりやすくじんわりと、胸に染み込んで来ました。
お茶、ええなあ~。←単純

そして、茶道の先生役の樹木希林さん。
病を受け入れ、天寿をまっとうされた樹木希林さんが
自然の全てを受け入れて、楽しみに変える茶道と、ものすごくリンクして。
改めて、素晴らしい女優さんだったのだなと
感じることができました。

日日是好日
良い言葉で、良いタイトルで、良い映画でした。


☆個人的見どころ
 ・日日是好日
 ・干支の器
 ・樹木希林さん