棚橋ー!


『パパはわるものチャンピオン』
団体のエースであり、超人気レスラーだった大村孝志(棚橋弘至)。
試合で膝に大ケガを負ってからは、嫌われ者の悪役レスラー「ゴキブリマスク」として活動していた。
ある日、父の仕事がゴキブリマスクだと知り、ショックを受ける息子の祥太(寺田心)。
父が悪役レスラーだと言えない祥太は、人気レスラーのドラゴンジョージ(オカダカズチカ)が父だと、クラスで嘘をついてしまう。
その話の流れから、クラスみんなで父親の応援に行くことになってしまい、祥太は困り果てて‥‥。

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原作は絵本なんですって。
監督は「バルーンリレー」などの藤村享平さん。

いい映画でしたね~。
グッと来ちゃいましたよ。

一緒にするなと言われそうですが
なんだか自分と重なる部分がすごくあって。
無名のお笑い芸人なんて、子供からしたら誇れる仕事じゃないでしょうから。

法に触れるようなことはダメですけど
お金をもらってやってる限り、仕事は仕事。
収入の差はあれど、そこに貴賤はないのです。
‥‥とは思っていても。
子供からすれば‥‥ねぇ。

特に僕は、プロレスも好きですから。
悪役の重要性と、それが大変な仕事であることは、分かっているつもりです。

かつて絶大な人気を誇ったクラッシュギャルズをいじめ倒したダンプ松本さんは
実家に石を投げ入れられることもあったとか。

そこなんですよね。
自分は誇りを持って全力でやっていたとしても
それによって家族が嫌な思いをしていたとしたら。
しかもかわいいかわいい息子が、学校で肩身の狭い思いをしているなんて聞いてしまったら‥‥。

もちろん、大切なのは仕事であり、それによって得る収入です。
家族を養わなければならないんですから。
それを理解するには、祥太はまだ小さすぎて。

棚橋弘至選手、決してお芝居が上手いわけではなかったですけど
父子関係に悩む不器用なパパ役と、その朴訥なお芝居がうまく重なりあって
なんだかとても染みました。

そして
上記の他にも、木村佳乃さんや寺脇康文さん
大泉洋さんや仲里依紗さんなどなど
本格派の俳優さん女優さんが出てらっしゃったのですが
その中での、田口隆祐選手の堂々たるお芝居たるや!
オーマイ&ガーファンクル!

こんなこと言っちゃあアレですが
あんまり期待してなかったんですよ。
好きなレスラーがいっぱい出てるから、観とこうかな~くらいで。
なんのなんの、プロレスファン以外にも、胸を張って勧められる映画でした。


☆個人的見どころ
 ・悪役としての誇り
 ・祥太の葛藤
 ・トランキーロ!