『500ページの夢の束』
自閉症のため施設で暮らすウェンディ(ダコタ・ファニング)は、スタートレックが大好きで、並外れた作品の知識も持っていた。
ある日、スタートレックの脚本コンテストの開催を知り、何日もかかって書き上げたウェンディ。
しかし、郵送だと締め切りに間に合わないことに気付き、LAのパラマウントピクチャーズに直接持ち込むことに。
自力では施設と職場との往復しかできないウェンディだが、自分の夢のため、愛犬と共に一歩を踏み出す‥‥。
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監督は「セッションズ」のベン・リューイン。
「セッション」ではないですよ。
なんだかとても暖かくなる映画でした。
感情が上手くコントロールできなくて
他人とのコミュニケーションが苦手なウェンディ。
そんなウェンディが、愛してやまないスタートレック。
どうやら、地球人の「感情」に手を焼いている、ミスター・スポックに自分を重ねている様子。
理由はどうあれ、「自分が好きなものを見つける」ということが、どれほど人生で大事なことかと。
そこに尽きますね、この映画は。
大好きなスタートレック。
全身全霊で書いたその脚本を届けるため
自分が苦手なこと、避けてきたことを一つ一つ乗り越えて行くウェンディに、胸が熱くなりました。
自閉症であるウェンディへの対応がそれぞれなのが、なんかまたリアルで。
理解して寄り添う人、顔をしかめる人、寄り添うふりをして騙す人も‥‥。
それでもウェンディは、ロスを目指すのです。
大好きなスタートレックのために、必死で書いた脚本を届けるため。
コミュニケーション能力は、子供のそれと大差がないウェンディなのですが
見た目が大人なので、子供として扱ってもらえるわけではなく。
その道のりは、想像以上に厳しく。
そこも含め、どう乗り越えて行くのか
唯一の身内である姉との関係は、どうなって行くのか。
ウェンディの成長とともに、親のような目で見てしまう映画でした。
原題は「PLEASE STAND BY」。
邦題には厳しい僕ですが(何様)
この「500ページの夢の束」は、良いタイトルだなあ。
☆個人的見どころ
・「好き」の力
・クリンゴン語
・果たして審査結果は?